わが子の「悪口」は親の影響…家庭内では褒め合いを
父親が母親の、母親が父親の悪口を子どもの前で言うのもやめましょう。二人ともが、子どもにとっては大切な親なのですから、お互いに褒め合って、「僕の(私の)両親はすばらしい人たちだ」と思ってもらいましょう。
家族が信頼し合い家庭内が落ち着いていると、子どもの心には安心感が生まれ、他のことに興味関心を積極的に持つことができます。しかし、家族がぎすぎすしていると、そのことにばかり気を取られ、ほかのことに集中できなくなります。
それに、子どもは親から道徳観を学びます。親が悪口を言っていれば、子どもも真似をするのは当然で、園や学校でも無意識のうちに誰かの悪口や不満ばかりを言うようになっていきます。悪口を言う人は、悪口を言う人と仲良くなります。
共通の敵をつくると、人は強い結びつきを感じてしまうからです。しかし、悪口を言わない人は、その場にいるのがいたたまれず、いつか去っていきます。つまり、悪口を言う人だけしか、周囲にいなくなってしまうのです。
人間関係の幅が狭くなることは、将来の仕事においてもデメリットでしかありません。悪口を言っていたことを知られれば、社会的信用を失う原因にもなります。
もし、親が悪口を言っていないのに、子どもが友達や先生の悪口を言うようになったとしたら、子どもの周りに悪口を言う子がいるはずです。だからといって、その子をつるし上げれば、結局は同じ穴のむじな。ここは冷静に、わが子を正しい方向へ誘導していきましょう。
子どもが誰かの悪口を言ったら、その言葉を自分が言われたらどう感じるかを気づかせなければなりません。方法としては、親がそのままオウム返しで子どもに言ってみるのも良いのですが、鏡の前で、子ども自身に言わせてみるのも手です。
鏡の中の自分に悪口を言わせて「どんな気持ち?」と聞いてみてください。就学前の子の悪口には、たいてい、「バカ」「キモイ」といった単語が含まれていますから、嫌な気分を味わうはずです。
「ママは、その言葉を聞いて悲しい気持ちになったよ。お友達とは、楽しいお話をしてほしいな」と親の気持ちを伝えます。そして、今まで以上に、家庭内では良い言葉、プラス思考の言葉を大人が使い、悪口は封印してください。
1カ月ほど様子を見ても、悪口がおさまらないようなら担任の先生に相談をしてみましょう。クラスの中にいじめの構図ができているかもしれません。クラス全体の問題として調査や解決は先生にゆだね、わが家はわが家のやり方で、人の気持ちを傷つけない話し方を継続していきましょう。
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