「わが家のルール」が主張のできる子をつくる
皆さんの家には「わが家のルール」はあるでしょうか。生活していくなかには、たくさんの暗黙のルールが敷かれていると思います。
バスタオルの使い方一つをとっても、家族で共有するのか、何回使ったら洗うのか、洗濯物はどこに入れておくのか。多くは家事を担う人が決めていると思いますが、ありがちなのが、母親が自分で決めたルールを家族に明確に伝えないまま「なんでここに置くの?」「どうしてちゃんとできないの?」と子どもや夫を叱ってしまうケースです。
夫はもともと別の家庭で育った他人ですし、子どももルールの存在が分かるようになって数年です。叱る前に、まずは家庭内のルールを決めましょう。家族全員がそろっているところで「ルールを追加します!」と宣言して、ノートでもホワイトボードでも画用紙でも良いので、記入していくようにします。
もちろん、ルール宣言した人に対して「それは、こうしたほうが良いと思います」と意見するのも認めます。そうして、みんなが納得したところでルール成立です。
・朝起きたら、パジャマは畳んでベッドの中央に置く
・脱いだ汚れものは、表にして洗濯機横の青いかごに入れる
・玄関に出しておいて良い靴は、1人1足
・トイレのふたは使ったら必ず閉める
・ゴミは分別して捨てる。分類が分からないものは台所の茶色いボックスに入れる
・使ったものは、元の場所に戻す
挙げたらきりがないのですが、叱りたい、文句が言いたいと思ったら、まずルールの追加を願い出ましょう。子どもの側からも「スマホを持ってトイレに入らないでください」とか「ソファで寝ないでください」といった要望が出てくるかもしれません。
親も反省するところは反省し、そこは我慢してもらいたい内容であれば、子どもが納得できる理由を話してあげましょう。ルールづくりに参加させていくと、子どもは「人の意見を聞く姿勢」と、「自分の意見を伝えるプレゼン力」を養うことができます。
転勤で日本に滞在していたヨーロッパ人のお宅では、子どもにお小遣いを渡さず、欲しいものがあるときにはその都度、親に対してプレゼンをさせてきたとおっしゃっていました。
鉛筆1本、消しゴム1個でも「なぜ必要なのか」「それを買うと、どういう良いことがあるか」を伝えられなければ、買ってあげなかったそうです。そのお子さんは今、中学生ですが、親元を離れて海外留学をしています。
11歳の段階で、「自分は将来〇がやりたい。だから、この国のこの学校に行って学びたい」とはっきり主張したそうです。実行力もさることながら、自分が何をしたいかを早くから意識できたのは、常に自分の思いを言葉にしてきたからだと私は感じています。
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