本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「宅森昭吉のエコノミックレポート」の『経済指標解説』を転載したものです。

 

先行CI前月差+4.3で10ヵ月連続の上昇、一致CI+3.2で2ヵ月ぶりの上昇

 

一致CIを使った景気の基調判断は、「上方への局面変化」から「改善」に上方修正

 

 

 

●3月分の景気動向指数・速報値では、先行CIが前月差+4.3と10ヵ月連続の上昇になった。速報値からデータが利用可能な9系列では、鉱工業生産財在庫率指数(逆サイクル)、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの7系列が前月差寄与度プラスに、最終需要財在庫率指数(逆サイクル)、マネーストックの2系列が前月差寄与度マイナスになった。

 

●3月分の一致CIは前月差+3.2と2ヵ月ぶりの上昇になった。速報値からデータが利用可能な8系列では、生産指数、鉱工業生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・小売業、商業販売額指数・卸売業、有効求人倍率、輸出数量指数の7系列が前月差寄与度プラスになった。投資財出荷指数1系列が前月差マイナス寄与度になった。

 

●最近の、一致CIを使った景気の基調判断をみると、19年8月分~20年7月分は「悪化」の判断だったが、景気の基調判断は8月分で19年5月分~7月分以来13ヵ月ぶりの「下げ止まり」に上方修正された。その後、20年9月分から12月分まで「下げ止まり」で据え置きになった。21年1月分で一致CIを使った景気の基調判断が、「上方への局面変化」は事後的に判定される景気の谷が、それ以前の数ヵ月にあった可能性が高いことを示す「上方への局面変化」に上方修正され、前回2月分では判断据え置きになった。

 

●3月分で一致CIを使った景気の基調判断が景気拡張の可能性が高いことを示す「改善」に、「上方への局面変化」から上方修正された。3月分の一致CIの3ヵ月後方移動平均は9ヵ月連続上昇、かつ前月差が上昇なので、条件である「原則として3ヵ月以上連続して3ヵ月後方移動平均が上昇かつ当月の前月差の符号がプラス」を満たした。コロナ禍でも、輸出、生産の好調、雇用の底堅さなどから景気の基調はしっかりしていることを示唆するものと言えよう。

 

●3月分の先行DIは88.9%と景気判断の分岐点の50%を9ヵ月連続で上回った。速報値からデータが利用可能な9系列中、最終需要財在庫率指数(逆サイクル)、鉱工業生産財在庫率指数(逆サイクル)、新設住宅着工床面積、消費者態度指数、日経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの8系列がプラス符号に、新規求人数1系列がマイナス符号になった。

 

 

●5月26日発表予定の3月分景気動向指数・改訂値では、先行CIに新たに実質機械受注(製造業)が加わる。機械受注の発表日は5月20日である。また在庫率関連データが5月19日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

 

●3月分景気動向指数・改訂値で労働投入量指数は、雇用者数(非農林業)と総実労働時間指数(調査産業計)の2つの系列を掛け合わせて作られている、雇用者数(非農林業)は労働力調査のデータなので変わらないが、総実労働時間指数(調査産業計)は毎月勤労統計のデータで3月分速報値(前月比+3.4%)が、5月25日の確報値で変更になる可能性がある。また、生産指数関連データが5月19日発表の確報値段階で、また商業動態統計関連データが5月18日発表の確報値段階でどのようにリバイスされるかが注目される。

 

●4月分の先行CIの採用系列で速報値からデータが利用可能な9系列中、現時点で数値が判明しているのは、消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列である。日経商品指数、中小企業売上げ見通しDIの2系列が前月差プラス、消費者態度指数、東証株価指数の2系列が前月差マイナスである。

 

●また、4月分の先行DIでは、数値が判明している消費者態度指数、日経商品指数、東証株価指数、中小企業売上げ見通しDIの4系列では、全系列がプラス符号になることが判明している。4月分速報値段階の先行DIは44.4%以上100.0%以下になることが確定している。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年3月分景気動向指数(速報値)』を参照)。

 

(2021年5月12日)

 

宅森 昭吉

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

理事・チーフエコノミスト

 

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