発達障がいの代表的な症例:ADHD
注意欠如多動症のことです。年齢や発達に不釣り合いな不注意優勢に存在する(predominanrtly inattentive presentation;以下 不注意型)や多動・衝動性優勢に存在する(predominanrtly hyperactivity/impulsive presentation;以下 多動・衝動型)を特徴とする発達障がいで、日常活動や学習に支障をきたす状態をいいます。
DSM-5で表記変更があり、「存在する」という表現になりました。不注意型は、集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽい等、多動型は、じっとしていることが苦手で、落ち着きがない等、衝動型は、思いついた行動について、しても良いか考える前に実行してしまう等というのが主な症状です。
ADHDといっても、不注意型が目立つタイプ、多動・衝動型が目立つタイプ、どちらもが目立つ混合型タイプの3通りに分かれます。ちなみに、多動・衝動型と一つにまとめているのは、多動型と衝動型はほとんどの場合、同時に起こるからです。
ADHDのお子さんは普段の接し方で症状が軽くなったり、深刻になったりします。接し方を描いたテキストとしておすすめなのは、元奈良教育大学特別支援教育研究センター長の岩坂英巳氏が監修した『ほめかた絵本』です。NPO法人、自立支援センターいかるがの郷のホームページ(英文はダウンロード可)などから購入できますので、参考にしてみてください。
発達障がいの代表的な症例:自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症とは、以前の広汎性発達障がいのことです。
広汎性発達障がいは、自閉症(社会性を身につけることが困難である、言葉の発達の遅れや独り言が多いなどのコミュニケーション能力の障がい、興味の範囲が狭いなどの特徴がある)、アスペルガー症候群(自閉症と症状は似ているが言葉の発達の遅れといったコミュニケーション能力の障がいはない場合)を中心に、チック(ある一部の筋肉を、突発的に、目的なく無自覚に動かしたり、突発的な発声をしたりする)などを含むものの総称として使われていました。
自閉症はリンゴの芯にあたり、アスペルガー障がいは、いわばリンゴの実のあたりにあるものを、一つのリンゴとして一括して広汎性発達障がいと呼んでいたわけです。今回、DSM-5によってリンゴ全体の名称が、自閉スペクトラム症に変わったということです。
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