今、日本の製造業で起きている「ベテラン50代従業員」の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

近年、従業員の休職・退職を防ぐ対策として、心身の健康管理に取り組む企業が増えています。その一環として進んでいるのが、会社の顧問医ともいうべき「産業医」の導入です。産業医がいると、職場はどのように変わるのでしょうか。ここでは産業医の筆者が、自身の経験をもとに「製造業」の休職・退職を防ぐ方法を解説します。産業医ならではの、業界や職場の事情を踏まえた「的確なアドバイス」を見ていきましょう。

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「従業員数が少ない会社」ほど離職率が高い

小規模事業者(従業員数20人以下)の社長は「うちの従業員は会社のことを想ってくれている」と考えるケースが多いのですが、社長が思うほどには、従業員に会社愛はありません。従業員には自分の生活がありますから、まずは自分や家族が大事であるのは当たり前です。

 

もっと良い船があれば、そちらに乗り換えようと考えているはずです。人材の流動性が高いことは従業員50人未満の企業の特徴だと思いますから、定着率を上げる工夫が必要になってきます。

 

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製造業で顕著…今「職人気質の職場」で起きている問題

たとえば、製造業では時代のニーズに応えるために、生産性を上げようと機械を導入することがあります。その結果、人の手でやっていたことが自動化され、それまで1日あたり製品を20個しか作れなかったのが200個作れるようになったりします。

 

すると、ベテラン従業員で手作業しかしたことのない人は、自分の存在価値が揺らぎます。

 

一方で人の手で作ったほうが精度は高い部分もありますから、技術の継承ができなくなっている面もあります。製造業の小規模事業者の場合、20代、30代が少なく、50代、60代がバリバリ活躍しています。

 

他の業種と比較すると、20年ほど世代が違います。20代の新入社員が50代のベテラン社員に直接教えてもらうとなると、なかなかうまくいきません。

 

20代にしてみれば分からないことがあっても聞きづらいですし、50代のベテランにしても、世代が違うのでどう教えればいいか分かりません。

職場をうまく回すカギは「最前線から引いた70代社員」

50代の従業員が新入社員の頃は、先輩の仕事を見よう見まねで覚えた時代ですから、自分自身が教えてもらっていないので、新入社員に教えようと思ってもうまくいかないのです。加えて50代の従業員は納期や品質などに責任を負っているので、どうしても厳しくなってしまいます。

 

ある製造業の小規模事業者では、70代の職人が退職せずに仕事を続けていました。50代は第一線で仕事をしなければならないので、新入社員に仕事を教えている時間がありません。

 

そこで新入社員が何か分からないことがあると、70代のベテランに聞きにいきます。70代の職人は第一線から退いていますので、時間に余裕がありますし、若い従業員に自分の技術を承継できるのはうれしいことなので、喜んで教えます。そんな関係ができると、社内がうまく回っていきます。

 

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「長く働ける人」を減らしてしまう、もう1つの原因

このように製造業は職人気質の残る職場ですので、健康面でも問題を抱えていることが少なくありません。医師の指導に耳を傾ける人は少なく、自分勝手に判断してしまう人が少なくないのです。

 

たとえば、糖尿病の人が「食べなければいいんだろう」とジュースばかり飲んでいたりします。これは逆効果です。フルーツジュースを毎日飲むと、糖尿病リスクが上がるという調査結果もあります。それよりも、朝はしっかり栄養を取って、飲み物はジュースではなく、水やお茶がいいのです。

 

あるいは、病院を受診したとしても、血液検査して薬をもらったから、それで大丈夫だろうと考えてしまったりします。主治医にしても、受診後のフォローまではできないので、症状が悪くなると薬を増やすしか方法がないようなケースもあります。

 

職人気質の人はコミュニケーションが苦手な面もあります。病院を受診しても、主治医と話をするのは数分程度でしょう。その中で現在の状態を正確に伝えるのは難しい面があります。また、生活をどう改善すればいいかなど、自分から主治医に聞くこともあまりありません。

 

たとえば「最近、暑いからジュースをたくさん飲んじゃうんだけど大丈夫かなあ」と気軽に聞けるようなら、主治医もアドバイスができるのですが、そうではないケースが大半なので改善できません。

「上司の喫煙」が嫌で辞める若手世代も多数

また、製造業には、いまだ喫煙の問題が多いのも現状です。若い世代は吸わなくなっていますが、ベテランは禁煙できないケースが多いようです。

 

直属の上司は忙しくてなかなか相談できず、話ができるのは上司がたばこを吸うときだけ、ということも少なくありません。それに耐えきれず若手従業員が辞めていくのですが、会社はそれに気づいていないことが少なくありません。

 

ある企業では、私がそれに気づいて、相談できる場所をつくることを提案し、相談室をつくってうまくいくようになりました。

 

産業医の立場で、企業を継続的に見ていくと気づくことは多くあります。その中には簡単に改善できることも多く、一つひとつ解決していけば、従業員の健康や職場の働きやすさは、ずいぶん改善するはずです。

 

 

富田 崇由

セイルズ産業医事務所

 

 

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セイルズ産業医事務所 医師

1978年生まれ、愛知県名古屋市出身。

2003年3月、浜松医科大学卒業。
2003年4月、名古屋第一赤十字病院にて研修。
2005年4月、同病院救命センタースタッフとして地域医療災害医療にも携わる。
2008年4月より複数の在宅クリニックにて在宅ホスピスに従事。
2014年11月、ナラティブクリニックみどり診療所開院(内科心療内科精神科)。
2016年4月、セイルズ産業医事務所開設。信念は「患者のストーリーに寄り添ってベストな治療方針を」。

2016年に産業医事務所を開設後は、会社を「小さなクリニック」にすべく小規模事業者にも産業医の必要性を訴えている。

著者紹介

連載なぜ小規模事業者こそ産業医が必要なのか

※本連載は、富田崇由氏の著書『なぜ小規模事業者こそ産業医が必要なのか』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

なぜ小規模事業者こそ産業医が必要なのか

なぜ小規模事業者こそ産業医が必要なのか

富田 崇由

幻冬舎メディアコンサルティング

小規模事業者が頭を悩ます問題――深刻化する人材不足、それに追い打ちをかける社員の体調不良やメンタル不調…。「社員の病気」は会社の経営を脅かす。 小規模事業者にとっては、社員の一人ひとりが貴重な戦力だ。そんなな…

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