もう疲れ果てました…介護施設の評価を決めるのは家族ではない

ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

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わが家に合った施設を選ぶチェックポイント

施設契約の前準備として重要事項説明書をチェックする

 

重要事項説明書には施設のサービス内容をはじめ、経営法人の概要、職員の配置状況などの項目があり、ウェブサイトやパンフレットでは記載されていない事項が確認できます。マイホームを買う際、値段・立地・間取り・日当たり・環境・近隣の様子をチェックしますが、これと同じ感覚です。

 

なぜならば、施設というのは親の日常の生活の場であり終の棲家になる可能性が高いからです。大げさなようですが、今後の人生の幸福度が左右されます。親本人も家族も納得できる施設であるのか、しっかりと確認しましょう。

 

重要事項説明書には施設のサービス内容をはじめ、経営法人の概要、職員の配置状況などの項目が確認できるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
重要事項説明書には施設のサービス内容をはじめ、経営法人の概要、職員の配置状況などの項目が確認できるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

重要事項説明書はどこで入手できる?

 

一般的に施設との契約前は、問い合わせ→見学→重要事項説明という流れで進みます。見学のときには是非、重要事項説明書を見せてもらいましょう。施設にはこの内容に関しての説明義務があり、入居希望者から要望があれば提示しなければならないので、依頼を躊躇しなくても大丈夫です。

 

重要事項説明書は、施設に問い合わせる前の検討材料としても利用できます。都道府県が有料老人ホームの重要事項説明項目を一覧表で公開している、経営法人が該当施設をまとめて公開している、特別養護老人ホームが自己施設を独自公開している、など、インターネットで割と手軽に確認することもできます。

 

●【都道府県名 重要事項説明書】で検索…その地域の施設が一度に確認できる。
 →希望する地域にどんな施設があるのか、比較対象をしたいときなど
●【経営法人名 重要事項説明書】で検索…その母体法人の施設が一度に確認できる。
 →特定の法人(ニチイ、ツクイなど)を推薦された、その法人が気になるときなど
●【個別の施設名称 重要事項説明書】で検索…個別施設の詳細情報が確認できる。
 →この施設(名指し特定)がすごく良いと聞いた、評判が良いので確認したいときなど

 

施設選びのチェック項目(主な例)

 

・施設運営会社…安心して契約できる経営母体か 経営理念など
・契約解除と返却金…入居者申し出解除と施設申し出解除の内容、退去時の返還金算定など
・サービス内容…認知症や介護度が上がった際の利用継続有無、事業者変更時の対応など
・介護保険サービスの利用範囲…介護サービス費用、食費、室料、日常生活費など
・利用料金…月額利用料、一時金の額
・施設利用の留意点…外泊、外出、禁煙、飲酒、所持品の持ち込み、身体拘束など

 

 

 

「在宅介護エキスパート協会」代表

1964 年、静岡市生まれ、川崎市育ち。NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
2人の子どもに恵まれるも、両親が同時期に脳血管障害、認知症、骨折、肺炎で入退院を繰り返す。長年にわたり仕事、子育て、介護(遠距離介護4年・在宅介護8年)の「トリプルワーク」を経験。仕事をしながらの育児、介護にストレスが極限にまで達し、介護疲れを起こす。書籍や情報サイトなどを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児との両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感する。その後、「自分でもできる介護」を自力で確立することを決意。アイデア発想講師としての知識を生かし、それまでの「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想の視点を変え、現代人のための介護思考法を独自に研究する。

著者紹介

連載親の入院、介護ですぐやること、考えること、お金のこと

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

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