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当面の重要イベント:米国ではFOMCやバイデン大統領の施政方針演説が注目される
米連邦準備制度理事会(FRB)は2021年4月27~28日の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催しています(図表参照)。
前回の3月FOMCの議事要旨では大半のFOMC参加者が総じてインフレ率上昇リスクは一時的との認識を示し、また資産購入による大規模な金融緩和(QE)が経済を支えているとの認識が示されました。
なお、同じ28日(日本時間では29日、図表参照)にはバイデン米大統領が上下両院合同会議で経済や外交など幅広い分野について政権の方針を示す施政方針演説を行う事も予定されています。
どこに注目すべきか:FOMC、米家族計画、スコットランド、ブラジル
日本はゴールデンウイーク(GW)を迎えます。日本ではGW前の27日に日銀が金融政策決定会合を開催し、政治関連でも25日に衆参補欠並びに再選挙が実施されたためイベントは少ないと見られます。一方、海外では複数のイベントが予定されていますので、簡単に注目点を述べます。
まずGW前半は米国関連のイベントが目白押しです。最初に4月のFOMCでは金融政策の据置が予想されますが、注目はQE縮小(テーパリング)の「準備」が示唆されるかです。テーパリングの開始時期そのものは市場では年末、もしくは来年前半の予想が多いようです。しかしFRBのパウエル議長は十分に時間(半年程度)をかけて市場と対話する姿勢です。もっとも、4月のFOMCでは参加者の経済見通しなどはなく、それが公表される6月のFOMCが議論の開始時期との見方が多いように思われます。
次に、バイデン大統領の施政方針演説では追加の経済対策と、その財源が注目されます。バイデン大統領は3月末に2兆ドル超規模のインフラや環境、研究開発に投資する「米国雇用計画」を公表していますが、今度の演説では「米国家族計画」が追加される見込みです。財源について増税案などが示される見込みです。
最も重要なのはこれらの計画が法案として審議され、どのような形で成立するかです。その山場は夏頃になると思われますが、今回の演説直後の反応として、共和党と、増税などに反対するかもしれない一部民主党議員の動向が注目されます。
次に、欧州では4月末に欧州連合(EU)加盟国に復興・強靭(きょうじん)化計画の提出が求められています。EU復興基金の配分の土台となるもので提出の遅れが懸念されています。ただ、大所帯の欧州で期限が柔軟なのはよくあることです。ある程度の遅れであれば想定の範囲内と思われます。
GW明けの、スコットランドの議会選挙にも注意が必要です。6日のスコットランド議会選挙では公約として23年末までに英国からの独立を問う二度目の住民投票の実施を掲げている国民党が単独で過半数を獲得できるかが注目されています。前回(2014年)の住民投票で独立は否決されましたが、英国がEUを離脱した中、スコットランドには大陸(EU)との関係回復を期待する声も根強く残っているようです。
世論調査は概ね五分五分ですが、国民党有利との調査も見られます。もっとも、仮に国民党が過半数の議席を獲得しても、翌日住民投票が行われるわけではなく、英国政府と住民投票を巡る交渉は(国民党に有利な条件で)進められることが想定されます。
新興国ではブラジルで金融政策決定会合が開催されます。インフレ率上昇への対応で、ブラジル中銀は前回程度の利上げを「予告」しており、市場も0.75%の利上げを見込んでいます。ブラジル以外にも新興国の一部ではインフレ率が上昇傾向です。通貨安を抑制する意味でも的確な対応が求められます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『ゴールデンウイーク期間の主なイベント』を参照)。
(2021年4月28日)
梅澤 利文
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト
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