いま、弁護士や税理士などの士業は過渡期を迎えようとしています。「AIに仕事が奪われる」との声も……。しかし、士業のすべてなくなるわけではなく、人間にしかできない仕事がまだまだあります。AIやITなどの技術革新が続くなか、士業の仕事に付加価値をつける方法を税理士、公認会計士、心理カウンセラーとして活躍する著者が明らかにします。本連載は藤田耕司著『経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

顧客開拓ルート「ウェブからの問い合わせ」

不特定多数の人にアプローチできるウェブマーケティングも重要な顧客獲得ルートです。ウェブマーケティングについてはさまざまな手法が存在しますが、その詳細は専門書を参照していただくとして、ここでは多くの士業が実践しやすい方法をお伝えします。

 

まずウェブマーケティングのツールで活用しやすいものとして、①ホームページ、②ブログ、③フェイスブックが挙げられます。ここでは各ツールで発信すべき情報とマーケティング展開の方向性についてお伝えします。

 

業務内容を伝える

 

顧客獲得のためには業務内容を伝えることが必要です。そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、名刺交換した相手の業務内容がよくわからないという経験をしたことはあるかと思います。ただ、相手は業務内容が正しく伝わっていると思っているでしょう。このように業務内容を伝えるということは実は簡単なことではないのです。そのため相手が業務内容をきちんと理解できるツールを持つことは重要なことです。

 

業務内容を紹介するツールには、ホームページが挙げられます。多くは「業務内容」や「事業内容」という形でホームページに記載されます。ここで留意したいのは、士業がどういう仕事をしているか、どのような流れで業務が進むかがわからない閲覧者がたくさんいるということです。特にコンサルティング業務はよりわかりにくいでしょう。

 

人は未来の展開が読めないことには不安を感じ、手を出そうとしません。そのため、業務を依頼した場合、具体的にどのような対応をしてくれて、どんな流れで業務が進むのかというイメージが湧かないと、二の足を踏んでしまいます。そのため、業務の具体的内容や依頼の流れについて、言葉やフローチャートでの説明があるとよいでしょう。

 

また、ブログやフェイスブックなどで、守秘義務を守りながらも業務活動で気づいたことやうれしかったことなどを日記風に投稿して業務内容を伝えることもできます。よく会う友人でも具体的な仕事内容を理解していない場合も珍しくなく、仕事の依頼や紹介の機会を逃している可能性は大いにあります。仕事内容の投稿をしたら、知り合いから仕事の依頼が来たり、新たな顧客を紹介されたりしたという話は少なくありません。

 

交流会や勉強会の出会いなどからSNSでもつながると、投稿を通じて業務内容を理解してもらえます。記事の投稿後に、「投稿を拝見しました。弊社でも一度、ご相談させていただけないでしょうか」という連絡が来る場合もあります。ただし、過度なPRになっていたり、投稿の頻度が高過ぎたりすれば印象が悪くなるので、適切な投稿を心がけることが必要です。

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経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事

藤田 耕司

日本能率協会マネジメントセンター

AIの利用が広がるにつれ、多くの士業が「定型的で単純な手続き業務はAIに取って代わられかねない」と危機感を強めています。 起業して新事業を始めたり、いち早くAIを取り入れたりするなど、業務の見直しに取り組む動きも出始…

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