不動産の取得・保有に関する税は、条件によって規定が大きく変化します。不動産の種類や取引の目的といった様々な要素から課税・非課税が決定されます。しかしその一方で、課税の条件が空き家問題を深刻にした側面もあるのです。※本記事は、『たのしく学べるファイナンシャルプランニング[改訂版]』(創成社、藤波大三郎著)より抜粋・再編集したものです。

不動産の売買、贈与、賃貸…「課税・非課税」の基準

不動産取得税については、有償・無償を問わず、売買、贈与の場合は課税対象となりますが、相続、法人の合併の場合は非課税となっています。贈与でも課税される点に注意が必要です。いわゆる流通税の一種であり、不動産の移転という事実に着目して課されるものです。課税標準は固定資産税評価額ですが、新築住宅については特例があり、固定資産税評価額から1,200万円が控除されますので、かなり安く評価されます。また、宅地についても固定資産税評価額の2分の1と軽減されています。

 

消費税については、土地は譲渡も賃貸も非課税ですが、建物の譲渡は課税されます。また、土地の場合も駐車場等の施設の利用を伴う場合は課税される点に注意が必要です。ただし、青空駐車場で、地面の整備、区画をせず、車両管理もしない場合は非課税取引となります。よく、賃貸マンションの賃料に消費税がかかっていると思っている人がいますが、同時に借りている駐車施設についての消費税と思われます。

 

なお、駐車場の賃貸収入は、保管責任のない駐車場の収入は不動産所得、保管責任のある駐車場で、前に触れた通り、50台以上の事業的規模なら事業所得、小規模なら雑所得となります。

 

印紙税は契約書に印紙を貼ることで徴収されますが、不動産の売買契約書は2通を作成して売主、買主の持合いとなり、その2通ともに貼付が必要です。そして、それらの印紙には消印が必要です。印紙税を納付しないと過怠税が課税されます。かつては、FPのテキストでは印紙を貼付しなくても契約は有効という点が強調されていましたが、現在は印紙を貼付しない場合の課税が強調されるようになっています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

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