近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、周知の事実や世の中の常識に囚われずに成功するための思考法を説いています。

考え得る限りのネガティブな想像が行動する力を生む

そうすると意外と「ああ、別に死ぬわけじゃないな」と開き直って行動できるようになるかもしれません。あるいは「同じ職場だから、一緒に仕事ができなくなるかもしれない」と思ってやめることになるかもしれません。いずれにしろ踏ん切りはつきます。

 

あるいは自分のお店を開きたいけれども、失敗するのが嫌で悩んでいるという人がいたら、実際にどれくらいのお客さんが来そうか、調査をしてみるとよいと思います。お店というのは、業種と立地である程度の来客数が分かるものです。

 

開店予定地に一日中立っていれば人通りがどれくらいあるか、どんな人が通るのか分かりますし、観察していればそのうちどれくらいの人がお店に興味をもってくれるかもなんとなく分かってきます。

 

楽観的な想定ではなく、悲観的な想定をして、それでも一日にこれくらいのお客さんは来てくれるだろうと考えることができれば、やっていけるかいけないかが判断できます。悩んでいて行動できないという人の大半は、ただ「どうしよう」と思っているだけで、リスクを具体化していません。

 

具体的に考えて、自分が考え得る限りのネガティブな想像をして、それでも致命傷には至らないと思うのであれば、そこから行動する力が生まれてきます。具体的なアドバイスをするなら、一般的に人は、命を落とす危険性がなくて、借金をしなくてもできる範囲のことであれば、たいていのことはやってもいいと思います。

 

たとえ貯金がゼロになったとしても、無借金で働ける身体が残っていれば、ほとんどの人はいくらでもやり直すことができます。あなたが失うのはせいぜい時間くらいですが、その時間というのも無駄に失われるわけではなく、人生経験としてかけがえのない資産になるものです。怖がって、怖がって、怖いから考え抜いて、その末に一歩、踏み出してみてください。

 

 

宮井 弘之

株式会社SEEDATA 代表取締役社長

 

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