近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、周知の事実や世の中の常識に囚われずに成功するための思考法を説いています。

ニュースの裏側には「誰が」いるのか?

新聞でもテレビでもネットでもよいのですが、ニュースを見たり聞いたりしたときに、あなたはどのようなリアクションをしていますか?

 

例えば、第3波の感染が急拡大して、二度目の緊急事態宣言が発令されたことが話題になりました。連日のように新規感染者が増えて記録更新したと報道しています。このニュースを見聞きしての反応は人それぞれだと思います。

 

心配性な人は「自分や家族が感染する危険が高まった」と感じて、外出を控えたり、マスクを忘れないようにしたりと気を引き締めたことでしょう。楽観的な人は「なるほど、ずいぶん増えたのね。でも自分の周囲には感染者は出ていないから大丈夫」などと聞き流すことでしょう。

 

数字に強い人は「日本の人口1億2650万人に対して、感染者数が累計で32万人ということは、感染率は0.25%に過ぎないし、感染者数に対する死亡者数の割合も約0.02%なのに、ずいぶんおおげさに騒ぐものだ」と感じたかもしれません。

 

これらはそれぞれリアクションが異なりますが、ニュースを真正面から受け止めて反応しているという意味ではすべて同じです。このように、ニュースをストレートに受け止めていては、話題にしても内容が深まりません。私は、ニュースを見るときに、常に「人」に変換して「洞察」しています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

つまり、あるニュースを見聞きしたときに、そこで報道されているなんらかの事実にはどのような背景があるのか、どのような仕組みや構造で出来上がっているのか、また、テレビや新聞は数多あるニュースのなかで、なぜそのニュースを選んで報道しているのか、誰がそのニュースを選んでいるのか、それによって利益を得るのは誰か、などを考える材料にしています。

 

例えば、新型コロナウイルスの感染者数は事実ですが、人口比でいえばまだ大きいとはいえないその数字を大きく喧伝するのは、感染者が感染者を増やしていくウイルスの仕組みから、パンデミックが起きないよう、政府が予防的に警告を発している側面が大きいでしょう。

 

つまり、新型コロナウイルス関連のニュースは、ある意味では政府広報ともいえます。また、医療に従事している方々の疲労や病床数の逼迫なども盛んにニュースになっていますが、これも、十分な医療手当が受けられないかもしれないから、一人ひとりが感染予防に力を入れてほしいとのメッセージになっています。

 

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宮井 弘之

幻冬舎MC

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