コロナ禍でますます増える「椎間板ヘルニア予備軍」
新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークなどの在宅勤務をする人が増えました。しかし、会社と違って自宅は仕事をする環境が整っていないため、無理な体勢で長時間パソコンに向かっていることで肩こり、首の痛み、眼精疲労、腰痛に悩まされている人が増加しています。この状態が続くと首や腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアになるリスクが高まります。
コロナ禍で2020年4月に初めての「緊急事態宣言」が出されて以降、著者のクリニックにも首痛や腰痛の相談が日に日に増えています。
患者さんの話を聞いていると、急にテレワークになったことで自宅に仕事部屋を確保できず、リビングなど家族がいる場所で仕事をしたり、仕事用の机や椅子がないので、ローテーブルにパソコンを置いて床に直に座ったり、座椅子を使ったりして仕事をしているということでした。
しかし、このような環境が身体へのストレスとなって徐々に蓄積していき、肩こりや首の痛み、腰痛を引き起こしていることが、産業医科大学と腰痛や肩こり対策のサービスを提供する株式会社バックテックの共同研究チームの調査によっても明らかにされたのです。特に腰痛は、テレワークを実施していない人の3倍にもなっていたといいます。
患者さんの多くは、自宅での仕事は、オンとオフの切り替えが難しいと感じており、身体への負担が蓄積しやすい状況下での長時間に及ぶパソコン作業が、さらに首痛や腰痛のリスクを高めていると思われます。
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