働き盛りの40〜50代は「椎間板ヘルニア」に要注意!
腰痛を医者に訴えても真剣に取り合ってもらえず、年齢的なことや坐骨神経痛と診断されるなど、はっきりした原因が分からないままの状態で、痛み止めや湿布で対処されている人は少なくありません。
しかし、このような人をMRIで撮ってみると、ほとんどの場合で腰の椎間板ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)が見つかっているのです。
腰椎椎間板ヘルニアというと、高齢者が発症する病気だと思われるかもしれませんが、実際には働き盛りの40〜50代にピークがあり、男性には女性の約2倍の頻度で見られる病気なのです。
だからこそ腰痛の患者さんに対し、椎間板ヘルニアを疑って検査をする必要があるのですが、そこまで親身になってくれる医者は少ないように感じてなりません。
スマホの使い過ぎで「頸椎椎間板ヘルニア」が急増
椎間板ヘルニアというと、以前は圧倒的に腰に多い症状でしたが、ここ数年は若者を中心に首の椎間板ヘルニア患者が増えています。
その原因は、スマートフォンの使い過ぎにあると考えられています。スマートフォンを見るときは、長い時間深くうつむく姿勢を取るようになるので首にかかる負担が大きくなり、利用頻度が高いほど首の椎間板ヘルニア(頸椎椎間板ヘルニア)になるリスクが高くなります。
現代はスマートフォン1台で、日常生活の大半のことは済ませられる便利な時代になりました。それだけに片時も手放せなくなり、浴室に持って入ったり、寝る際には枕元に置いていたりする若者が多いと聞き及んでいます。
その代償として頭痛、首・肩の凝りや痛み、眼精疲労、不眠、めまい、耳鳴りといったさまざまな身体の不調に悩まされている人が増えています。
数年前になりますが、新聞に「韓国若者に首の異常急増」「スマートフォンやり過ぎ一因か」という見出しの記事が出ていました。
小さな記事ではありましたが、専門医である筆者としては見過ごすわけにはいかず、いずれは日本も同じ状況になると危惧していました。それが、とうとう現実となってきたようです。
実際に、米国の研究でスマートフォンを使用する人は、使用しない人に比べて背中の上部、首の痛みを訴えることが多いことを、『The Spine Journal』誌に掲載の研究結果を引用してロイター通信社が報じていました(※1)。
(※1:スプートニク日本「スマホ利用者になぜ椎間板ヘルニアが多いのか?科学的根拠が明らかに」2017年4月16日)
それによると、整形外科医のトッド・ランマン氏とジェイソン・クエラル氏が、若い患者さんのなかに背中に強い痛みを訴える人が増え、椎間板ヘルニアになる人が増えたことに気づき、レントゲン写真を分析した結果、これらの患者さんの首に普通では見られない湾曲があることを発見したというものでした。
これは毎日数時間にわたって不自然な姿勢でスマートフォンを使用することから生じた、異常な湾曲だったとしています。
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