椎間板ヘルニアの最新治療「切らずに完治」も夢じゃない…現役医師が解説

現代日本人の約2800万人が発症している「腰痛」のうち、2~3%が「椎間板ヘルニア」だと言われています。しかし医師に相談しても、具体的な対処法がなかったり、一生治らないといわれたり、困っている腰痛患者が多いのではないでしょうか。本連載では、現役医師である伊東信久氏が、「椎間板ヘルニアの治療法」に関する疑問を解説していきます。

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「パパイアがヘルニアに効く」のは本当なのか?

ヘルニコア(コンドリアーゼ)は医学的には「化学的髄核融解術」と呼ばれる治療法で、この治療法自体は1980年代から行われていました。このときに使用されたのは、パパイアから抽出したパパインという酵素を椎間板に注入して髄核を溶かすという方法でした。

 

酢豚にパパイアやパイナップルを入れると肉が柔らかくなるように、パパインはタンパク質を分解する作用があります。そのため、椎間板ヘルニアに対しても一定の効果はありましたが、アナフィラキシーショックや、椎間板以外の周囲組織まで分解してしまう重大な副作用があったことから、現在は販売中止になっています。

 

その後の研究で、ヘルニコアはタンパク質を分解する作用をもたず、ヘルニアの痛みの原因となっているグリコサミノグリカンのみを分解し、臨床症状を緩和させる作用が強いことが分かり、安全性が高いとして用いられるようになりました。

 

ただし、やはりアナフィラキシーの副作用があることから投与できるのは一生に1回、1カ所のみとなります。また現在適応は腰椎のみで、頸椎の椎間板ヘルニアには用いることはできません。

椎間板ヘルニア手術に「メスはいらない」という事実

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

〈腰椎椎間板ヘルニアの場合〉

●レーザーによる究極の切らない手術(PLDD)

 

レーザーを用いた最先端の方法です。レーザーによる椎間板ヘルニアの治療は「PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression)」と呼ばれ、日本語では「経皮的レーザー椎間板(髄核)減圧術」といいます。

 

[図表1]PLDDによる腰椎椎間板ヘルニア治療時のレントゲン写真とイラスト

 

はみ出している椎間板の圧迫を軽減させるために、椎間板そのものに針を刺し、そこからレーザー光線を照射して蒸散させます。これにより時間の経過とともに椎間板が収縮することで、脊髄および神経の圧迫が軽減されます。背中から針を通してレーザーを照射するだけの手術なので、患者さんにかかる負担は切開手術に比べて大幅に軽減できるのがメリットです。

 

ただし、治療技術だけではなくレーザーに関しても、熟知していなければ照射する加減を誤り、周囲の組織を傷つける恐れがあるため、医者の技量が問われる治療法といえるでしょう。

 

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伊東くりにっく、医療法人社団眞愛会 伊東くりにっく院長、医療法人社団眞愛会理事長

神戸大学医学部医学科卒業後、大阪市立大学大学院医学研究科に入学。
修了後、大阪市立大学形成外科医局を経て、麻酔科、脳神経外科、整形外科など多岐にわたる医療現場で活躍する。
「腰痛の悩みを抱える患者が、原因や病名を正しく認知し適切な治療に臨めるように」と椎間板ヘルニアをレーザーで治療するPLDD(経皮的レーザー椎間板髄核減圧術)専門クリニックとして、2006年に開業。また、がんの最先端治療の一つであるNKT細胞がん治療にいち早く着目するなど、「人生100年時代」を見据えた最前線の医療の提供に尽力する。

著者紹介

連載椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

椎間板ヘルニア治療のウソ・ホント

伊東 信久

幻冬舎メディアコンサルティング

多くの現代人の悩みである腰痛・首痛。 その原因の一つである椎間板ヘルニアには、さまざまなウワサがあります。「手術しても完治しない」「安静にしていれば自然に治る」など…。 本書では、そんなウワサの真偽を椎間板…

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