経理の赤字社員は、基礎ができていない
たとえば、年間定上高が600億円規模の会社で、「今月の売上高はどれくらいだ?」と聞かれ、「¥4,875,925,332」という数字が羅列していたとします。これを2秒以内に替えられない経理の方は、残念ながら赤字社員と見なされます。
経理という仕事をしているのならば、ケタ区切り(カンマ)は基本中の基本です。千円、百万円、その次は十億円です。英語では、ミリオン(百万)、ビリオン(十億)ですよね。
仮に、ケタ区切り2が未(いま)だにわかっていなかったとしても、年間600億円の売上高ということがわかっていれば、月間の12で割ることの50億円。
この金額を目安に「4,8……」という数字を見ただけで、「48億」と瞬時に判断できなければいけません。普段から数字を扱っていても、数字の持つ意味を理解しようともせず、数字にまったく興味を持っていなければ、このような結果になってしまいます。
一方、黒字社員は常日頃からゲーム感覚で数字を意識しています。たとえば、上司から「この新商品の年間売上目標は3億円だ」と言われたとします。
「営業マンが6人だから、1人当たり年間5000万円」
↓
「年間5000万円だと、月に400万円以上」
↓
「この商品の単価は1000円だから、月に4000個以上の売上」
↓
「さて、どうやれば4000個が達成できるだろうか?」
このように、大きな数字も自分に身近な数字に置き換え、ゲームを攻略するかのようにビジネスを進めることができます。黒字社員は、常に数字を意識しているので、「あと、どれくらい足りないか?」ということが具体的にわかり、ドンドン個人の目標を達成していくことができるのです。
ちなみに、赤字社員と黒字社員の会社への「利益貢献の差」は、次のようになります。
赤字社員と黒字社員の今月の成績
赤字社員、黒字社員の給与は、月25万円経費は、給与の2倍かかるものとして計算
・赤字社員売り上げは前月と同じ(50万円)
生み出した価値 50万円×粗利率の40%=20万円
給与+その他経費 25万円×3=▲(マイナス)75万円
↓
25万円-75万円=▲(マイナス)55万円の赤字
・黒字社員売り上げは250万円達成
生み出した価値250万円×粗利率40%=100万円
給与+その他経費25×3=▲(マイナス)75万円
↓
100万円-75万円=25万円の黒字
2人の差は月額80万円、年間960万円
香川 晋平
K&P税理士法人 代表社員
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