50代はご自身の体調や周囲の環境の変化により、「実る人」「枯れる人」の分かれ目となる時期です。「実る人」の特徴は、「いい人間関係、元気、心の平安」が挙げられます。そして挨拶は対人関係だけでなく、自信の「心の養分」にもなります。人間関係の充足から心の平安を得る方法を探ります。※本連載は松尾一也著『50代から実る人、枯れる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

おひとり様が気楽でいいと思えるが…

50代から枯れる人=いい友達を捨てる】

 

50代にもなると多層にわたる友人がいます。小中高の学生時代、仕事で知り合った友人、趣味などの仕事以外での友人。

 

まずは同級生、何が一番楽かというと「お前、いくつになった?」という会話が必要ないことです。

 

大阪万博、ビートルズ、高度経済成長、バブル、失われた20年…。ほぼ同じ体験を重ねているので自然と共感しやすいものです。私も高校時代の友人6人とLINEを使って日々、他愛のないやりとりをして楽しんでいます。

 

サッカー日本代表の試合、プロ野球の日本シリーズなどビッグイベントの最中にそれぞれのコメントが投稿されて大変愉快です。離れていても一緒に観戦している感じで盛り上がります。

 

たまに会って、酒を酌み交すこともありますが、ここで重要なことがあります。さすがに50年も生きてくるとそれぞれの思想や哲学がかなり違ってきているということです。若い頃の友情は全幅の信頼のもとに築かれていたはずですが、中年以降はそれぞれ異質な人間同士であることを理解して、片目をつぶって仲良くする。そんな心がけも大切です。

 

仕事を通じての友人、これも天からのギフトです。お互いの研鑽や成果をシェアできる喜びは働きがい、生きがいを感じます。50代にもなると酸いも甘いも味わえる感性を持ち合わせていて面白さも増します。

 

また駆け引きのない仕事以外の友人というものも貴重です。私はスポーツクラブの友人とはかなり深い絆で交友していて、共に汗を流し、たまに食事も一緒にして人生について語り合います。

 

以上のように「50代の友達ワールド」は人生の宝箱でもあります。

 

しかし、逆に「孤独」に陥る可能性も高いものです。人付き合いにも疲れ、仕事がらみの人には会いたくもないし、同級生とは極力コンタクトを取りたくない、今さら同窓会なんてまっぴら御免という人も多いです。

 

私自身も一人メシ、一人酒、一人旅、一人で映画、一人で読書のおひとり様が気楽でいいと感じることがあります。その気持ちもわからないでもありませんが、やっぱり生きる喜びをもたらす窓口のひとつは「友人」です。

 

数は少なくていいのです。学生時代の友人一人、仕事仲間で一人、それ以外で一人は人間関係を活性化させて大切にしましょう!

 

一番、避けなくてはいけないことは「セルフ・ネグレクト(自己放任)」に陥ることです。セルフ・ネグレクトは孤独死の8割を占めると言われており、近年深刻な社会問題となっています。「もうどうなってもいいや」という心境になった時こそ、友達に会うことです。

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50代から実る人、枯れる人

50代から実る人、枯れる人

松尾 一也

海竜社

50代というのは、仕事においても家庭においてもこれまでと違うことが噴出します。 責任ある大きな仕事を仕切る/子供の教育の総仕上げ/親の介護、看病、見送り…といったライフイベントが迫るかと思えば、一方では、別会社…

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