50代は家族の本音に耳を傾ける時期
【50代から枯れる人=自分の話ばかり聞いて欲しがる】
「一人で生まれ、一人で死ぬになぜに一人で生きられぬ」という川柳があります。
まさに我々はこの世に一人でやってきて、一人で去っていく存在です。だけど、いつも孤独を感じる生き物で、誰かとつながっていないとやっていけません。
ある意味50代は最も「孤独」に耐えないといけない期間かも知れません。
パートナーとも結婚して20年以上が経過していて、よく言えば「空気」のような関係になり会話も希薄になるケースが多いです。子供たちも成長して、精神的に親離れをしていて、親密な対話もほとんどなくなってしまいます。
一方、あんなに元気だと思っていた両親に陰りが見え始める頃合いです。あそこが痛い、ここが痛いと病院に連れていく作業が増えます。そのまま深刻な状態になり、手術、看病、そして見送るという悲しいフローチャートになることもままあります。
私の場合は30代後半で父を看病、見送り、40代で母を施設に入れなくてはならないという試練を早めに体験しました。とにかく親のケアにエネルギーを相当、奪われることになります。
そんな時だからこそ、それぞれの家族と丁寧に付き合わないと今後の人生で悔いを残すこととなります。ケンカするパートナー、ムカつく子供、看病する親、実はすべていてくれるだけで有難いと思う日がきっと来るものなのです。
「なにを食べても美味しかった…なにを見ても楽しかった…気がつくとそんな時いつもあなたがそばにいた…」
両手が義手の詩人で画家の大野勝彦さんからいただいた言葉です。
その関係性を温める一番のコツは、あらためて話を丁寧に聴き届けるということです。家庭でケンカがおきて、「言い争い」になりますが、「聴き争い」という現象はありえませんね。
「もっと話を聴かせてくれよ!」「いや、私が聴きたいの!」こんなことになりますか(笑)。
パートナー、息子や娘、両親、それぞれの本心を聴いてあげることがお互いの関係性を温めることになります。
具体的な行動として、月に一度くらいは家族で食事に行く習慣がバカになりません。日本の豊かな食文化はどこの街でも楽しめますし、予算も財布に合わせられるのでそんなに高いハードルではないでしょう。
我が家も近くの美味しい焼き鳥屋へ家族で定期的に通っています。そこでそれぞれが他愛のない話をしている瞬間に家族体温が高まります。せめて家族とだけは「信頼」を柱に生きたいものです。