限界のタワーマンション…湾岸エリアに急増、「腐動産」の末路

高齢化、人口減少…昨今、マンションを取り囲む状況は極めて厳しいものになっています。大阪経済法科大学経済学部教授の米山秀隆氏の書籍『限界マンション 次に来る空き家問題』(日本経済新聞出版社)より一部を抜粋・編集し、タワーマンションが抱える問題点を解説していきます。

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乱立する「タワーマンション」限界時代へ

マンションを維持管理していくためには、管理費、修繕積立金をきちんと徴収していくことが必要である。滞納戸数があるマンションの割合は、古いマンションほど高くなっている。

 

規模別で見ると、滞納住戸のあるマンションの割合は、総戸数300戸超えのマンションで多くなっている。大規模で互いの顔が見えないマンションほど、無責任になりがちだということを示す一つの証左である。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

一方、長期修繕計画の作成状況については、建築年代が古いマンションほど、また、小規模なマンションほど作成していない割合が高くなっている[図表]。小規模マンションでは管理費の滞納は少ないものの、長期修繕計画を策定していない場合が多いという問題があることを示している。

 

[図表](国土交通省 平成30年度 マンション総合調査)
[図表](国土交通省 平成30年度 マンション総合調査)

 

まだ管理組合があればいいが、古いマンションでは管理組合がないケースもある。東京都のアンケート調査(2011年)によれば、マンションの6.5%が「管理組合なし」と回答した。また、組合はあるが、高齢化などで「役員のなり手がいない」と回答したマンションは32%に達した。

 

高齢化比率が50%以上の集落は限界集落と呼ばれる。マンションの場合も、2つの老いが進展し、空室化、賃貸化が著しくなり、マンションの維持管理や建て替えなどの終末期問題に取り組んでいくべき管理組合も機能不全状態になっているとすれば、もはやそうしたマンションは「限界マンション」とよんでもいいかもしれない。

 

【急増するタワーマンション】

 

次に、大規模修繕や将来の終末期問題でより困難に直面すると予想される超高層マンション(タワーマンション)について見ておこう。

 

超高層マンションとは一般に高さ60メートル以上、20階建て以上のマンションを指す。52メートル、19階とその定義からは外れるが、超高層マンションの草分けともいえる存在が、1971年完成の「三田網町パークマンション」(東京都港区)である。霞が関ビル完成の3年後に建てられた。すべて100平方メートル超と富裕層向けに供給された。60メートル以上というくくりでは、1976年完成の与野ハウス(埼玉県さいたま市)が最初の超高層マンションであった。

 

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大阪経済法科大学経済学部教授 

経歴
2020年9月~ 大阪経済法科大学経済学部教授
2020年8月~ 総務省統計局「2023年住宅・土地統計調査に関する研究会」メンバー
2019年10月~2020年8月 国立研究開発法人勤務
2019年4月~2019年9月 株式会社シンクダイン
2016年6月~2017年10月 総務省統計局「2018年住宅・土地統計調査に関する研究会」メンバー
2009年4月~2017年3月 高崎商科大学非常勤講師
2007年7月~2010年3月 慶応義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員
2004年2月~2019年9月 「ESPフォーキャスト調査」フォーキャスター
1996年4月~2019年3月 株式会社富士通総研
1989年4月~1996年4月 株式会社富士総合研究所
1989年3月 筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了(経済学修士)
1986年3月 筑波大学第三学群社会工学類卒業

著者紹介

連載「マンション限界時代」スラム化していくマンションたち

限界マンション 次に来る空き家問題

限界マンション 次に来る空き家問題

米山 秀隆

日本経済新聞出版社

進む、建物の老朽化と住民の高齢化。 老朽化マンションの放置・スラム化は不可避なのか? マンションは終の棲家にならないのか? ▼老朽化したマンションの末路は、スラムか廃墟か。居住者の高齢化と建物の老朽化という「2…

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