えっ、こんなことも?高齢者の独居リスク、危ない絶句の行動

ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

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単純なレンジ機能のものがおススメな理由

高齢者になると入浴を嫌がるようになる

 

施設やデイサービスの入浴回数の目安は週2回です。少ないように感じますが、日本も昔はこれが普通で毎日の入浴などは贅沢でした。私が育った家庭では入浴は日課で、もちろん、それは親である両親の意思でした。それなのに晩年ふたりで暮らしていたときは、いつ入浴をしたのか見当がつかないほど無計画でした(そんなこともあり、デイサービスを利用することになったのですが)。

 

危ない、面倒など理由は様々ですが、あまりにも拒むようなら、湯船に入らずともシャワーやタオルで丁寧に拭いても汚れはとれます。足湯も気持ちの良いものです。高齢者はひとりで入れる人の方が事故は多いのです。溺死は足が伸ばせる長い浴槽であるほど多いのです。転倒や低温やけどにも注意が必要です。入浴しなければ事故も起きません。神経質にならず、大らかに考えると気も楽になります。

 

レンジ機能だけの家電製品に買い替えて、レンジ機能だけの食品を買い備える方が安心できるという。(※画像はイメージです/PIXTA)
レンジ機能だけの家電製品に買い替えて、レンジ機能だけの食品を買い備える方が安心できるという。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

外出がおっくうになり引きこもる

 

身体の自由が利かない、身支度が面倒、目的がないなど、そんな気持ちになると自宅は居心地良く引きこもりがちになります。しかしながら、これが続くと高齢者は廃用症候群につながります。そして、寝たきりになりがちな親を外出させるのは一苦労、介護者も気分転換になるのはわかるけど、特に理由でもない限り後回しになりがちです。

 

私も日々のお世話が優先で、自分の時間を割いてまで優先して外出の機会をつくることはしませんでした。ですが、そのままにしておくと外出をしないという選択になってしまいます。そこで、わざと医師に依頼して土曜日のリハビリを習慣にしました。

 

通院も外出です。その帰りに時間があれば買い物や神社に立ち寄り刺激をつくります。目的をわざとつくるのもひとつの策です。難しい場合は、庭先、玄関先、ベランダで外の空気に触れてリフレッシュするところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

収集癖で家の中が不要物で溢れている

 

もったいない、いつか使うなど親世代はミニマリストと真逆な考えです。新聞やティッシュなどの紙類は大人気! オイルショックのとき紙不足の経験が生きているのかもしれません。何かを集めるのには理由があるようです。捨てると騒ぐこともあるので許容範囲なら放っておきましょう。

 

火の始末が危うくなったら独居のリスクは高くなる

 

ガスコンロ、電気カーペットの漏電、たこ足配線など、火事のリスクは生活の至る所にあります。

 

魔法瓶を火にかけた、宅配弁当の容器を火にかけた、これは実際に私や知り合いの親が起こした事件です。ガスは危ないからとIHに取り換えますか? 高齢になると新しい製品はハードルが高く使いこなせないものです。もしこれに変更をするのなら、ある程度理解できるうちに手を打つのが得策です。

 

意外ですが単純な電子レンジ機能だけのものが私のお薦めです。親だけなら、お湯が沸かせて、お弁当が温められるだけでも十分と割り切るのも大切。コップ1杯のお湯なら、ガスより電子レンジの方が1円安い。1日10円としても、ひと月300円安いのです。

 

注意したいのは、電子レンジとオーブン機能があるものです。レトルトや冷凍商品が楽だからと、買い置きすることもあります。ですが商品の中にはオーブン不可、電子レンジ不可というものもあります。間違えたばかりに爆発や火を噴いたら大変です。

 

いちいち商品ごとに、レンジ対応だよとか、これはオーブンねとか言ってもわかるはずがありません。それならば、レンジ機能だけの家電製品に買い替えて、レンジ機能だけの食品を買い備える方が安心です。

 

香りで介護を快適に

 

香りというのはダイレクトに海馬に入り込むほど強い影響力があります。在宅介護は体臭や便臭など独特の臭いがつくので母の部屋は定期的にアロマをたいています。一時期、朝昼はローズマリーとレモン、夜は、ラベンダーとオレンジの香りが認知症予防に良いと評判になりました。

 

これらを初めからミックスしている精油があるので、それを利用すると便利です。冬は加湿器の代わりにもなり重宝しています。興奮して大声を出すといった認知症特有の症状まで、和らぐ人も見られたという報告もあります。どのくらいの効果があるかは不明ですが、部屋が居心地良くなったのは事実です。

「在宅介護エキスパート協会」代表

1964 年、静岡市生まれ、川崎市育ち。NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
2人の子どもに恵まれるも、両親が同時期に脳血管障害、認知症、骨折、肺炎で入退院を繰り返す。長年にわたり仕事、子育て、介護(遠距離介護4年・在宅介護8年)の「トリプルワーク」を経験。仕事をしながらの育児、介護にストレスが極限にまで達し、介護疲れを起こす。書籍や情報サイトなどを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児との両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感する。その後、「自分でもできる介護」を自力で確立することを決意。アイデア発想講師としての知識を生かし、それまでの「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想の視点を変え、現代人のための介護思考法を独自に研究する。

著者紹介

連載親の入院、介護ですぐやること、考えること、お金のこと

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

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