50代からは、「ゆったりとした資産運用」を心掛ける
50代になると、何事にもある種、あきらめの気持ちが芽生えてきます。20代のときに比べて体力が落ちた。容姿も衰えた。何よりも気力が萎えた。それらをどうやったら改善できるのかを考える前に、「まあ、人生も先が短いし、いまさら頑張ってもしょうがないよね」と言ってあきらめようとします。
お金についても同じです。
「いまさら資産運用しても無駄でしょう。急にお金が増えるわけでもないし、そもそも難しいことを考えるのが面倒」という方はけっこういらっしゃいます。
でも、こと資産運用に関していえば、50歳から始めたとしても、全く遅くありません。というよりも、50歳から60歳までの間にある程度の金融資産を築こうとするならば、金利の低い預貯金だけではどうしても心許ないので、資産運用で「増やす」ことを考える必要があります。
もちろん、60歳以降もずっと資産運用をすればいいのですが、積立によって元本を増やしていける時期は、まだ働くことで得られる収入が比較的大きい50歳から60歳までと考えておいたほうがいいと思います。この10年で、ある程度効率的にお金を増やそうとするのであれば、資産運用は不可欠です。
といっても、Bさんのように株式とFXの組み合わせで運用するなどというのは、投資未経験者には無理だと思います。
東京電力株は非常にアンラッキーであり、あのような事態に直面する確率は極めて低いと思いますが、株式の直接投資で大きな損を被ったという話はよく耳にします。ましてやFXは、長期間ポジションを持とうとしても、Bさんのように短期で大きく為替レートが動くと、強制的にポジションを切られるケースがありますから、常に短期の値動きに神経を使うことになります。
株式も個別銘柄投資をすると、株価の値動きに一喜一憂することになります。株価が上がり始めると、どこで利益を確定させるかで思い悩み、株価が下がれば利益があるうちに売ったほうがいいのか、再び株価が上昇するまで待てばいいのかで悩みます。
挙句の果てに、損している状態に耐えられなくなり、Bさんのように値下がりしたところで売却して大損を被ったりします。そのような投資をし続けられますか?
きっと難しいでしょう。なので、50代からの資産運用はできるだけゆったり構えて、日々の値動きに神経をすり減らさずに済むような方法を考える必要があります。
山中 伸枝
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役
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