衰退産業と呼ばれて久しい「きもの業界」。業界全体の売り上げが低下するなか、潜在的な顧客ニーズを察知することで、大ヒット商品が誕生しました。「不便で当たり前」「できなくて当たり前」と思われていたきものの特性にあえて課題解決を挑むことで、イノベーションが起きたのです。一体どういうことでしょうか。きもの業界に長く身を置く筆者が解説します。

「最小の手間・最短の時間」できものを着るという発想

もう一つのカギは「せっかち」です。筆者は、きものを着られる方を増やす取り組みの一環として、自分で着付け教室も開いています。有名な着付け教室に通った経験がないため、教えているのは自己流で身につけたやり方です。

 

ポリシーは、「できるだけ短時間で、きものがきれいに着られるようになる」。授業料を得ることではなく、あくまできものを着られる方を増やすのが目的ですから、許状式のほかの教室のように初級・中級・上級などの区分けをせず、全8回で身につけられるカリキュラムになっています。

 

なぜこういうポリシーにしているかといえば、それは筆者自身がせっかちだからです。筆者は、できるだけ短時間で結果が欲しいタイプ。きものを着るときも、最小の手間・最短の時間で着たいのです。ですから、肌着の枚数は1着でも減らしたいし、使う紐を1本でも少なくしたい。手を抜きたいから、そのための努力は惜しまないタイプなのです。そういう思いが、新商品のアイデアに活きています。

 

ほかの業界でも、筆者の発想法は役立つはずです。人一倍面倒くさがりでせっかちになり、もっと楽に、手間なく使える商品はないかと追求してみてください。それが、ユーザーが望む商品を生み出すヒントになるかもしれません。

 

 

髙橋 和江

有限会社たかはし代表

和装肌着製造メーカー「たかはしきもの工房」代表

きものナビゲーター

 

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衰退産業でヒット商品を生み出す4つの法則

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髙橋 和江

幻冬舎MC

旧態依然としたきもの業界で、赤字経営から脱却。年10%以上のペースで売り上げを伸ばしてきた社長が解説。 古い業界だからこそ風穴は開けられる! 市場縮小が進む業界の状況を打破し、東日本大震災に見舞われながらも、ひ…

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