大金を目にすると、冷静に判断できなくなるので注意!
退職金の大きな落とし穴は、それを一時金で受け取ると、預金通帳にたくさんのゼロが並んだお金が、ポーンと入金されていることです。
大企業の部長クラスで定年を迎えたら、退職金の額は2000万円を超えて3000万円くらいになるかも知れません。ある日、自分の預金口座に3000万円ものお金が振り込まれているのですから、気も大きくなるというものでしょう。
何しろ「¥30000000」ですよ。こんなにたくさんの「0」が付いた預金通帳を、これまで一度も目にしたことがないのが普通ですから、舞い上がってしまうのも無理はありません。
でも、いったん冷静になってください。ここで無茶なことをしでかすと、本当に一生後悔することになります。
Aさんはまさにその典型的なケースでした。長年働いた会社を退職して、何となく自分にご褒美を上げたい気分になるのでしょう。その気持ちも痛いほどわかります。
慣れていない人が大金を目の前にすると、どうも冷静な判断ができなくなるようです。いままで投資などしたことがないのに、いきなり投資を始めてしまうなどというのは、まさに典型例でしょう。
ほかにも、まとまったお金が入って「こうしたい」「ああしたい」という誘惑は、いろいろあると思います。
Aさんのように豪華客船の旅とまではいかなくても、高級旅館に泊まるとか、自動車を買い替えるとか、あるいは家の増改築を行うとか、子供の結婚費用を払うとか、退職金を受け取った途端、頭の中で何かが弾けて、ついお財布の紐が緩んで散財してしまうケースは、よく聞きます。
大金を手にすると気が大きくなる人は、くれぐれも注意してください。
山中 伸枝
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役
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