定年前後はお金に関する様々な誘惑があり、危険な罠にはまって老後破綻に陥る人も多いです。しかし、50歳を過ぎたらするべきこと、してはいけないことを知っておけば、老後のお金の不安は解消できます。今回は、50歳から10年間で1000万円を貯める方法について解説します。※本連載は、山中伸枝氏の著書『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

50歳から資産運用を始めるなら「投資信託」を活用する

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ご存知のように、いまは預貯金金利がほぼ0%という金利情勢ですから、10年間で1000万円の金融資産を築くためには、毎月約9万円の積立額を維持する必要があります。

 

もちろん、株式投資やFXで稼ぐという手もあるのですが、この手の投資は大きなリターンが得られる反面、大きな損失を被る恐れもあります。本記事を読む方には、おそらく投資経験が少ない、もしくは全くないという人が多いと思いますので、あえてこの手の運用はお勧めしません。

 

50歳からの10年間、多少のリスクはあっても資産を増やしたいと考えるなら、投資信託を活用するのがいいでしょう

 

投資信託にもさまざまなタイプがありますが、もし、全く金融資産の保有額がゼロで、一から資産運用をスタートさせるなら、世界中の株式と債券に分散投資する投資信託がお勧めです。個人的には、セゾン投信が運用している「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」のように資産形成のお手本のようなファンドがいいのではないかと考えます。

 

もちろん投資信託ですから、値下がりすることもあります。このファンドも過去において、2008年のリーマンショックのときなど、一時的に大きく値下がりしました。しかし、その後の世界経済の成長を受けて、このときの値下がりを埋めて、さらに値上がりしています。

 

基本的に、世界中の株式と債券に分散投資すれば、その運用利回りは世界経済の成長率とほぼ一致するはずです。現在、世界経済の成長率は3~4%程度なので、10年程度の運用期間でこの程度の運用利回りが得られる可能性は高いと考えられます。

 

もし、年4%の利回りが期待できるとして、10年後に1000万円の金融資産を持とうとしたら、月々の積立金額は約7万円です。あるいは毎月10万円を積み立てられるとしたら、年4%の運用利回りで10年間積み立てると、最終的に1472万円の金融資産を持つことができます。

 

もちろん、あくまでも期待リターンによるシミュレーションですから、その通りになる保証はありませんが、投資信託で積み立てた場合、この程度の投資効果は期待できるということです。

 

60歳の時点で金融資産が、退職金と合わせて、2000万円を超えていたら、老後の生活はかなり安泰です

 

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50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話

50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話

山中 伸枝

東洋経済新報社

定年前後の5年間、お金との付き合いには罠がいっぱいあります。老後の生活が始まる前に破綻してしまう人もいるくらい、とっても危険な罠です。この本では、その危険な罠にはまらないよう、筆者自身が実際に本人たちから聞いた…

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