恐ろしい…玄関まわりに書かれた「8〜17」という数字の意味

ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

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巧妙な手口で親しげに近づいてくる詐欺師たち

訪問販売・電話勧誘は高齢者を狙っている

 

詐欺師は、オレオレ詐欺、シロアリ駆除、羽毛布団、電気計測器、ガス感知器など、巧妙な手口で親しげに近づいてきます。話し相手になり気を許したところを見計らって、あなたのためとのスタンスで商品の紹介をします。

 

電話詐欺を撃退するのなら「この電話は録音させていただきます」と流れるサービスを利用するのも効果ありですが、いっそのこと固定電話を解約しても良いかもしれません。しっかりしている親でも、良い商品だからと、安易に契約することがあります。

 

実家に帰って羽毛布団や、シロアリ駆除の偽物の納品書を見つけたら、親のお金とはいえ、子にとっても多大なストレスです。私が遠距離をしていたとき、近所の人に何かあったら連絡してほしいと頼んでおいたところ、「この前、変な人が門を覗き込んでいたから、この家に何か用ですか? と言ったら逃げたわよ」と知らされました。

 

詐欺でなくても、テレビショッピングや継続して送られてくる通信販売も注意が必要だという。(画像はイメージです/PIXTA)
詐欺でなくても、テレビショッピングや継続して送られてくる通信販売も注意が必要だという。(画像はイメージです/PIXTA)

 

空き巣はグループでの犯行が多く、何日か下調べをすると聞きます。玄関まわりに8〜17などと書かれているのは、この時間が留守という合図です。188(イヤヤ)は、悪質商法で被害を受けたとき、市区町村の消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれる消費者ホットラインの番号です。被害は遭わない方が良いのですが、備えに覚えておいてください。

 

適切な通信販売や金融商品も要注意

 

詐欺でなくても、テレビショッピングや継続して送られてくる通信販売も曲者です。また、牛乳や証券会社などの営業も要注意です。

 

父は、強く頼まれると断れない性格の上、お金や健康の話に弱いという最もカモになりやすいタイプでした。私の実家には、証券会社の営業担当者がよく出入りをしていたのですが投資信託など理解せぬまま契約していました。あるとき、知識もないのに「株をやろうと思う」と言うので大反対しました。

 

父母はグルメな上、テレビショッピングが大好き。毎月継続の有名なおかずセットを頼んでは、冷蔵庫に入らずに、わが家に流れてくることも。契約解除を面倒がるので永遠と続くのです。食べ物はまだ良いのですが健康食品は真贋が定かでないものも多いと聞きます。副作用もあるので注意してください。

 

成年後見人制度は安易に契約せず、本当に必要かを再確認

 

認知症の人などの権利や財産を保護し支援する仕組みが成年後見人制度です。

 

後見人は親族のほか、弁護士、司法書士など専門職が選任されるケースがあります。以前は、親族後見人が多かったのですが、使い込み、着服などの不正が問題となり、最近では第三者後見人の方が多くなっています。ですがこの場合、預貯金の引き出しや買い物もこの第三者後見人(他人)の許可が必要となり、なんで自分の家の財産を他人に操られないとならないのかというジレンマが起こります。

 

成年後見人の委託は月々費用がかかりますし、一度契約すると、余程の不正行為がその後見人にない限り解約ができません。成年後見人制度は必要な制度ではあるものの、まずは理解が大切です。安易に契約する前に、自治体や専門家ではなく、信頼できる個人に相談してみてください。

 

※成年後見人にできること

財産管理(預貯金や金融商品・不動産の管理/収入や支出の管理/税務処理など)

身上監護(医療、介護施設との契約/生活や療養看護の契約など)

 

すぐに1万円札を出す父

 

遠距離介護のとき、訪問介護が入らない日は、私がインターネットで日用品や食料品を注文して、指定の日時に届けてもらうようにしていました。

 

その際、父の支払いは毎回1万円札です。小銭をすぐに用意できないのと、時間がかかっては申し訳ないと思っているのでしょう。これは高齢者によくあることです。お金に関することは他人に依頼するとトラブルになりがち、家族で対策を決めてください。

「在宅介護エキスパート協会」代表

1964 年、静岡市生まれ、川崎市育ち。NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
2人の子どもに恵まれるも、両親が同時期に脳血管障害、認知症、骨折、肺炎で入退院を繰り返す。長年にわたり仕事、子育て、介護(遠距離介護4年・在宅介護8年)の「トリプルワーク」を経験。仕事をしながらの育児、介護にストレスが極限にまで達し、介護疲れを起こす。書籍や情報サイトなどを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児との両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感する。その後、「自分でもできる介護」を自力で確立することを決意。アイデア発想講師としての知識を生かし、それまでの「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想の視点を変え、現代人のための介護思考法を独自に研究する。

著者紹介

連載親の入院、介護ですぐやること、考えること、お金のこと

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

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