「実家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母親が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。日本の高齢化は進み、高齢者と後期高齢者という家族構成が珍しくなくなってきた。老いと死、そして生きることを考えていきます。本連載は松原惇子著は『母の老い方観察記録』(海竜社)を抜粋し、再編集したものです。

家にまっすぐ帰りたくない夫の気持ちが…

人間は本来、自分中心でモノをとらえるので、どんなにやさしい人でも、マリアさまではない。娘とて同じだ。母とて同じだ。ただの未熟なひとりの人間だ。自分の思い通りにならなければ腹が立つ。

 

日本の家族を見ていると、愛という名のべったり家族が多いなあと感じる。食べかけのおにぎりを平気で、子供の口に差し込む。子供のためと、いつまでも援助する。鳥でさえ、子供がひとりで生きていけるように母親が突き放すというのに…。

 

目黒でひとり暮らしをしているときは、ほとんど電車に乗ったことがなく、家とカフェを往復して、好きなように仕事をして暮らしていたが、埼玉に移ってからは、高田馬場にSSSの事務所があることもあり、週3日は電車で通勤している。

 

家を9時に出て5時に仕事が終わる。帰りは、最寄駅前のジムに寄り、サウナに入ってから帰るので、自宅に着くのは7時か8時ぐらいになる。

 

また、人と会って会食することが多いので、そんなときは夜10時すぎの帰宅だ。70歳を過ぎてまで、こんな忙しい生活をしている自分が信じられないが、家にまっすぐ帰りたくない夫の気持ちがわかり、これは良くも悪くも同居がくれた副産物だと思っている。

 

 

 

 

松原 惇子
作家
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク 代表理事

 

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母の老い方観察記録

母の老い方観察記録

松原 惇子

海竜社

『女が家を買うとき』(文藝春秋)で世に出た著者が、「家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。 おしゃれ大好き、お出かけ大好…

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