家にまっすぐ帰りたくない夫の気持ちが…
人間は本来、自分中心でモノをとらえるので、どんなにやさしい人でも、マリアさまではない。娘とて同じだ。母とて同じだ。ただの未熟なひとりの人間だ。自分の思い通りにならなければ腹が立つ。
日本の家族を見ていると、愛という名のべったり家族が多いなあと感じる。食べかけのおにぎりを平気で、子供の口に差し込む。子供のためと、いつまでも援助する。鳥でさえ、子供がひとりで生きていけるように母親が突き放すというのに…。
目黒でひとり暮らしをしているときは、ほとんど電車に乗ったことがなく、家とカフェを往復して、好きなように仕事をして暮らしていたが、埼玉に移ってからは、高田馬場にSSSの事務所があることもあり、週3日は電車で通勤している。
家を9時に出て5時に仕事が終わる。帰りは、最寄駅前のジムに寄り、サウナに入ってから帰るので、自宅に着くのは7時か8時ぐらいになる。
また、人と会って会食することが多いので、そんなときは夜10時すぎの帰宅だ。70歳を過ぎてまで、こんな忙しい生活をしている自分が信じられないが、家にまっすぐ帰りたくない夫の気持ちがわかり、これは良くも悪くも同居がくれた副産物だと思っている。
松原 惇子
作家
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク 代表理事
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