「実家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母親が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。日本の高齢化は進み、高齢者と後期高齢者という家族構成が珍しくなくなってきた。老いと死、そして生きることを考えていきます。本連載は松原惇子著は『母の老い方観察記録』(海竜社)を抜粋し、再編集したものです。

スーパーボランティアは現代のヒーロー

必要とされる人になる…「元気で老いるための7か条」

 

権力にしがみつき独裁者になり問題を起こしているニュースが続く中で、さわやかな清涼水のような人が、大分在住のスーパーボランティア尾畠春夫さんではないだろうか。

 

「きれいな心を持った人。僕も尾畠さんのようになりたい」と尾畠さんに会いに行った少年は言ってたが、近ごろお目にかからない心の美しい人だと、国民年金の少なさが頭に来ている自分の器の小ささを反省すると同時に、彼の生き方に感動させられる。

 

時間があり余っている高齢者は困っている人のために働くという選択肢はあるか…。(※写真はイメージです/PIXTA)
時間があり余っている高齢者は困っている人のために働くという選択肢はあるか…。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

65歳で魚屋を辞めてから、社会に恩返しをしようとボランティアを始めた尾畠さん。相手先でご飯をごちそうにならない。食べ物はすべて自分で用意し、寝泊まりは軽自動車の中。ボランティアに行くのだから、相手先に気を使わせてはならない。かっこよすぎるほど素敵な尾畠さんは、まぎれもなく現代のヒーローだ。

 

御年81歳(2021年1月現在、GGO編集部注)のスーパーボランティアの尾畠さんを見ていると、リタイアしたその年齢の男性は何をしているのかと疑問を抱いた。年金も退職金ももらった運のいいシニアたち。人数的にはいっぱいいるはずなのに、孫にお金を還元しているだけで、社会のために何かやっている人はどのくらいいるのだろうか。

 

こういう言い方をしたら語弊があるが、元一流企業の人に限って社会に目を向けないように見える。世田谷のシニアではないが、プライドが高いのだろう。自分の家族が安泰だったらそれでいいのだろう。でも、本当にそれでいいのか。

 

平和も自由も脅かされつつある昨今の日本だというのに。それでいいのだろうか。リタイアした男性は図書館なんかに行ってないで、デモに行ってほしい。入れる政党がなく困っている一票が、老人党に絶対入るはずだ。新しい首相も夢じゃない。役職にあった男性なら人脈もあるだろうから、老人党を立ち上げてほしい。家で趣味しているより、よっぽどいきいきした時間が過ごせる。

 

国民年金5万5千円の尾畠さんも言っていたが、他人の役にたち「ありがとう」と言ってもらえるのが何よりの喜びだと。

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