外国人の売り越しは続いているが…
2020年通年の決算を発表した指数26銘柄のうち、13銘柄が決算見込を下回り、10銘柄が上回り、3銘柄がコンセンサス予想通りの決算となった。
前週比では総合指数は109ポイント上昇しているが、その主な要因は、政府がワクチンの配布状況を発表した際に楽観的な見方が広がったこと。2021年第2四半期までに約2,600万人分のワクチンが供給されると予想されていることから、経済回復シナリオの見方が変わってきた。
先週の株価上昇率トップ3は、「RRHI」「PGOLD」「DMC」で、小売2社と建設。これは、成長株からバリュー株への投資ローテーションのように見える。一方で、値下がり上位は「MPI」「MER」「RLC」で、インフラと不動産銘柄。
基本的には、投資家がさまざまなニュースに振り回されているため、今の市場はかなりボラティティーが高くなっている。ロックダウン措置が再開するなか、減税法案が成立して楽観的になったり、ワクチンの納入に楽観的になったりして、バーゲンハンティングの様相を呈している。
しかし、外国人投資家の売り越しは引き続き継続しており、先週は30億ペソまで増加した。これで、6週連続で売り越しになった。今年に入ってからの外国人売りの累計は2,315億ペソとなっている。
現在フィリピンでもコロナ感染者数が増加し、陽性率は15~20%で推移しており、病床は依然として逼迫した状態が続いている。しかし、外国人による国内株式の保有率が約22%と過去最低であることから、外国人売りは底をついた可能性がある。
しかしながら、年初来で見ると、フィリピンの株式市場は8.3%減と、依然として低パフォーマンスの割安状態が継続していると言える。
PERについては17.9倍で、過去5年間の平均18.2倍からは若干のディスカウントとなっている。今のところ、指数は6,400~6,700の範囲で取引されると予想されている。
これまで述べてきたように、フィリピンの実態経済の状況は、現在10万5,000人にのぼる患者数を考えると、依然として悪い状況にある。一方企業所得税を30%から25%に引き下げ、2023年から2027年にかけて1%ずつ引き下げて20%にまで下げるCREATE法が可決されたことによる楽観的な見方が市場を支えている。
それに加えて、先ほど述べたように、ワクチンの納入にも明るい見通しがある。第2四半期までに約2,600万人分のワクチンが届くと予想されており、3月29日から4月4日までマニラ首都圏がコミュニティ隔離措置(ECQ)に指定されているにもかかわらず、このことが現在の指数を支えている。
今週も「高配当銘柄」に注目
今週の注目銘柄は、先週同様高配当銘柄。パンデミックのなかでも比較的業績が回復している企業を選んだ。ただし「TEL」「Globe」「Meralco」については、すでに第1四半期の配当を発表しいるため、今年度の予想配当金から実際の配当金を差し引いた結果、配当利回りが低くなる。バリュー・プレイについては、やはり株価純資産倍率(PBR)が1倍未満の企業「Metrobank」「Security Bank」「GT Cap」「MPI」「LTG」「DMC」を選定した。
主なイベントとしては、製造業PMIが4月5日、インフレ率が4月6日、貿易収支が4月8日に予定されている。
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