フィリピン不動産に異変「最大手の一角」が海外へ舵…「マンション大量供給」から脱却し、多角化へ向かう実態

5月4日週「最新・フィリピン」ニュース

フィリピン不動産に異変「最大手の一角」が海外へ舵…「マンション大量供給」から脱却し、多角化へ向かう実態
写真:PIXTA

フィリピンの不動産市場を牽引してきた「コンドミニアムの大量供給モデル」にブレーキがかかるなか、最大手の一角であるロビンソンズ・ランド(RLC)によるシンガポール市場参入のニュースが飛び込んできました。この動きは単なる販路拡大に留まらず、フィリピン不動産の国際的評価、そして出口戦略のあり方を劇的に変える可能性を秘めています。業界で加速する「多角化」の実態と、次の成長フェーズへ向かう市場の現在地を、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター・家村均氏が読み解きます。

RLCのシンガポール参入と市場評価

東南アジアにおいて高水準の経済成長を維持するフィリピン。その不動産市場がいま、大きな転換期を迎えています。フィリピン大手デベロッパー「ロビンソンズ・ランド(RLC)」によるシンガポール市場への本格参入と、業界全体で加速する「経営の多角化」という、2つの象徴的な動きが重なっているためです。

 

まず注目すべきは、RLCがシンガポールの規制当局から販売許可を取得したというニュースです。これは単なる販路拡大に留まらず、フィリピン不動産の「国際的評価」が新たなステージに到達したことを示唆しています。

 

投資家にとっての利点は大きく3点に集約されます。第一に、情報の透明性とアクセシビリティの向上です。シンガポール経由で物件情報が発信されることにより、日本を含む国外投資家にとっても現地の動向が把握しやすくなります。英語資料の拡充やオンライン説明会の増加は、比較検討の精度を高める重要な材料となるでしょう。

 

第二に、出口戦略の多角化による流動性の向上が挙げられます。国際金融センターであるシンガポールで販売されることで、将来の売却時における買い手層が世界規模に広がります。不動産投資において、売却時の流動性が担保されることは、市場全体の信頼性を底上げする不可欠な要素です。

 

そして第三に、付帯サービスの高度化です。海外投資家をターゲットにした家具付きパッケージや一括賃貸管理サービスの整備が加速することで、現地不在のオーナーでも円滑な資産運用が可能となり、市場全体の成熟を後押しします。

 

このように、フィリピン不動産は「国外からの見え方」が劇的に変化していますが、同時に国内の「事業構造」そのものも大きな変容を遂げています。これまで市場を牽引してきたコンドミニアム(分譲マンション)の販売スピードは、金利上昇や在庫増の影響を受けて緩やかになりました。これに対し、大手デベロッパー各社は住宅販売一本足打法からの脱却を図り、より広範なアセットクラスへの投資へと舵を切っています。

 

 

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※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事に記載されているEPS(1株当たり利益)予測やターゲット株価は、ABキャピタル証券のアナリストによる独自の分析・試算に基づいたものであり、将来の業績や投資成果を保証するものではありません。マクロ環境の変化等により、実際の数値は大きく異なる可能性があります。
※当記事のターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせて算出された数値を参考にしています。

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