親の「老いとの向き合い方」理解するには
コミュニケーションの最大のポイントは、「親の老いを理解すること」です。親の小さくなった背中を見て「歳を取ったなあ」と思うだけでは、ダメ。年を取ったことによって、親の体や心に起こる変化に気づき、それがどういうことなのか正しく理解することが大切なのです。
親と話をしていると、同じ話を繰り返していることに気づくことがあるでしょう。そこで、「また、同じ話か。それ、この前も聞いたよ」などと言っていませんか? あるいは、親に何かを聞かれた時に、「そんなこともわからないの? 調べればわかるでしょ」と突き放したりしていないでしょうか。
子どもとしては、そうした親の言動にイラッとするだけでなく、「あんなにしっかりしていた人が、どうして?」と悲しくもなりますが、それが「老いる」ということなのです。まずは、そこを理解しましょう。
人間は歳を取ると、病気をしていなくても、体力気力ともに徐々に衰えていきます。疲れやすくなり、腰や膝が痛み、目や耳もきかなくなる。そうすると気も弱くなるものです。
しかし、高齢者自身、自分が歳を取ったことを認めたがらず、抗(あらが)います。だから、子どもが心配してやさしい言葉をかけたりしてもうるさがったり、頑固になったりする。それでいて、愚痴をこぼしたりぼやいたりもします。
子どもにしてみれば、それにまたイラッとしてしまうかもしれませんが、愚痴やぼやきこそが親からのSOSなのです。たとえば、同じ話を繰り返すのは、そのことが心配で心配で、ずっと頭から離れないせいかもしれません。
子どもがそこで「その話、この間もしていたよね。気になっているんだね」と言ってあげれば、「ああ、自分の気持ちが伝わった」と安心するでしょう。
でも、「また、その話?」と言われると大きく傷つきます。それは、親自身、忘れること=認知症かも?と不安に陥ってしまうからです。
86歳になる私の母親も、よく「(あなたに)話を聞いてもらって、よかった」と言います。私と話をして、とくに何か問題が解決したわけではないと思いますが、「自分の話が伝わった」という安心を得たことで、頭の中でもやもやしている不安や心配事が少しずつ消えていくようです。
親と良好な関係を保つためには、親の老いを受け止め、受け入れる。それが子どもの役目でしょう。
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