相続が発生すると、亡くなった人の財産をどう分けるかが問題となります。そこで分割の基準となるのが「遺言書」です。遺言書がなければ相続遺産は相続人全員の共有になりかねません。遺言書は民法に定める方式に従わなければならず、そうでないものは無効になってしまいます。しかし、いまでは民法の改正による要件の緩和で、遺言書は比較的に作成しやすくなっています。
「自筆の遺言書を法務局で保管する」新制度が誕生
民法改正によって2020年7月から、「自筆証書遺言」について、法務局で保管する新しい制度がスタートしています。
●費用は一件につき3,900円
これまで「自筆証書遺言」は、遺言者が自分で保管するのが原則でした。しかし、発見されなかったり、偽造等のリスクもあったりして、利用しにくい面がありました。
そこで、民法改正に伴い2020年(令和2年)7月10日から、法務局が「自筆証書遺言」を預かって保管してくれる新しい制度がスタートしました。
具体的には、遺言者が自分で作成した「自筆証書遺言」を法務局に持っていって、保管を申請します。法務局では、法律上の要件を形式的に満たしているかを確認し(形式以外は確認されない点には注意)、原本を保管したうえで画像データとして記録します。費用は一件につき3,900円です。
この制度を利用すれば、「自筆証書遺言」についても、遺言者が亡くなったあと、相続人は誰でも、全国どこの法務局からでも、遺言書の有無の確認と画像データの確認ができます。
また、複数いる相続人のうち一人が遺言書の原本の閲覧や画像データの確認の申請を行うと、法務局から他のすべての相続人に対して遺言書を保管していることが通知されます。
法務局で保管した自筆証書遺言については検認手続きも不要です。
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