持ち家か、それとも賃貸か……おそらく永遠に結論が出ない議論ですが、年金が頼りとなる高齢者世帯の場合はどうか、考えていきます。

持ち家か、賃貸か…若者世代の答えは

国土交通省『平成30年住宅・土地統計調査』によると、持ち家率は61.0%。さらに世帯主の年齢別に見ていくと、世帯主が20代後半の持ち家率は9.1%。さすがに20代にして家を持つのはハードルが高いようですが、そこからぐっと持ち家率は高くなります。

 

世帯主が30代後半になると43.8%。40代前半には過半数を超え、持ち家派が優勢になります。そして40代後半では平均値の60.1%に達します。定年後、年金生活に入る60代後半では78.8%、70代後半には81.8%に達します。

 

【世帯主の年齢別持ち家率】
20代前半 3.1%
20代後半 9.1%
30代前半 26.2%
30代後半 43.8%
40代前半 54.7%
40代後半 60.1%
50代前半 64.5%
50代後半 70.8%
60代前半 76.2%
60代後半 78.8%
70代前半 80.4%
70代後半 81.8%

 

現在、日本の平均初婚年齢は30歳前後。そこから1年ほどして、初めての子どもを授かります。家族が増えていくなかで「家が欲しい!」という思いが強くなるのでしょう。また20~30年の住宅ローンを利用し定年前に払い終える、ということもを考えるのであれば、30代後半から40代というのは、年齢的にもマイホーム購入の適齢期といえそうです。

 

一方で持ち家率は低下傾向にあります。特に若い世代では顕著です。以前は、会社員の夢といえばマイホームを購入して一国一城の主になることでしたが、未婚率が上昇している昨今、住宅購入のきっかけがない、という事情は大きいでしょう。

 

また以前は、仕方なく賃貸、というケースも多くありましたが、近ごろは積極的に賃貸を選ぶ人が増えています。賃貸派の人からは、「こんな家に住みたい!」と思ったり、今住んでいる家に飽きたりすれば引越しをすればいいという自由度が魅力とか、何十年もローンの支払いに縛られるのが億劫などの声が聞かれます。

 

金融広報中央委員会の『家計の金融行動に関する世論調査』令和2年(2020年)で、非持ち家層に今後の住宅取得意欲を聞いてみると、二人以上世帯で「取得予定なし(「目下考えていない」と「取得予定なし」の計)」は52.7%、単身世帯に限っては当然ですが、75.8%に達します。

 

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