「家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母親が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。日本の高齢化は進み、高齢者と後期高齢者という家族構成が珍しくなくなってきた。老いと死、そして生きることを考えていきます。本連載は松原惇子著は『母の老い方観察記録』(海竜社)を抜粋し、再編集したものです。

弁護士だから信用できる理由にはならない

安心をお金で買う時代?

 

これだけ、ひとり身の人が増えている時代だというのに、ひとりを基本に社会福祉を整えていない日本の政治は、いったいどうなっているのだろうか。お金のない人は道端で死ねというのか。でも、考え方によっては、その方が幸せかもしれない。逆説的だが、お金があるからトラブルに巻き込まれるとも言える。


 
10年以上前の話だが、わたしは日本ライフ協会立ち上げのときに、取材に行っている。そのときの印象は、弁護士が中心に行っているということから、お金はかかるがその分安心だろう、というものだった。でも、弁護士だから信用できるという考えも捨てた方がよさそうだ。

 

弁護士で思い出したが、先日、SSSが入っているビルの管理人さんとエレベーターの中で一緒になり、全部の階にランプがついていたことから、「子供のいたずらね」と言うと、「わたしは誰がやったかわかっていますよ」と管理人さん。なんと弁護士だという。

 

職業で決めつける気はないが、政治家とか弁護士とか社会的地位の高い人は、どうかしている人が多い。またわたしたちも肩書きや権威に弱い。

 

 

 

 

松原 惇子
作家
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク 代表理事

 

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母の老い方観察記録

母の老い方観察記録

松原 惇子

海竜社

『女が家を買うとき』(文藝春秋)で世に出た著者が、「家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。 おしゃれ大好き、お出かけ大好…

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