憧れの町の世田谷は引きこもりシニアが急増
先日、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」を見ていたら、世田谷に孤立したシニアが増加している特集をやっていて、目が釘づけになった。
世田谷は住みたい町のトップにランクインしている憧れの町。しかし、現在の世田谷は、人との接触もなく、引きこもり状態で暮らしているシニアが急増しているという。
60歳からバレエ教室を開いていたが、80歳でやめたという84歳のひとり暮らしの女性は、昨年、家で転倒し骨折。それ以来、まったく外出していないというのだから驚いた。
居間に飾ってある白鳥の衣装を着けたバレリーナの写真が、昔バレリーナだったことを証明していたが、とても同じ人とは思えない変貌ぶりに、バレエをかじっているわたしは、唖然とした。
雑然とした部屋。彼女はテレビの前のソファに座ったまま、ほとんど動かずに過ごしている。
「外を歩くのは怖いので、8カ月間、一歩も外に出ていません」
買い物は、と聞かれると、生協に頼んでいるから大丈夫らしい。
もう一人登場した同じく80代の男性は、4年前に妻を亡くして以来生活が一変したと嘆く。元会社役員か。顔つきと暮らしぶりでいい生活をしてきたことが想像できる。
体は元気そうだが、精神的に参っているようで、妻がいたときは、妻がいたときはとそればかりくり返す。「もういないんだよ。前を向いて生きてよ」と陰の声。今は寂しくて、悲しくて、足が悪いわけではないのに、自宅の庭にしか出ていないとおっしゃるのだから驚きだ。
妻に家事をやらせていたので、自分でご飯を作ることもできず、家政婦に3食作らせているという。わたしは心の中で、「妻はあんたの家政婦だったのか〜、甘えるんじゃないわよ。ご飯ぐらい自分で作れ〜〜」と叫んでしまった。
現役時代に社会的地位があっても、会社を辞めればただの人。そのくらいのことがどうしてわからないのか、不思議だが、そういう男性は日本にはごまんといる気がする。
その男性を批判する気はないが、そんなに寂しくて悲しいなら、外に出て、地域の人のために何かボランティアでも始めればいいのにと思う。会社時代の特技を生かすこともできるはずだ。子供はいるらしいが、滅多に会うことはないという。
近所の人とは、話題が違いすぎて話す気がしないらしい。