結婚を反対され、親族との関係が悪い「次男の妻」
今回の相談者は50代の会社員、高橋さんです。高齢の父親が亡くなり相続が発生したのですが、遺産分割に際し、父より先に亡くなった次男の妻とトラブルになっているとのことでした。
亡くなった高橋さんの父親は長年大学で教鞭をとっており、定年後も精力的に講演をこなしたり、雑誌や書籍の原稿を執筆したりするなど、幅広く活躍してきました。また、若いころからスポーツマンで、とてもエネルギッシュだったそうですが、突然の体調不良があり、検査したところ末期のがんと判明。入院したもののすでに手の施しようがなく、わずか数カ月で亡くなりました。
有名大学の教授として高収入を得ていた高橋さんの父親ですが、代々の地主の家系でもあり、先代から受け継いだ不動産等も多く保有しています。実家は山手線内で、最寄り駅から徒歩数分の商店街のそばという利便性のいい場所にあるほか、その商店街の少し先には2棟のビルと1軒の貸家、2駅ほど離れた場所には2棟のアパートがあります。
高橋家の家族構成は少々複雑です。高橋さんは長子の長男で、実母は4人の子どもを残し、高橋さんが成人する前に亡くなっています。その後しばらくして、父は現在の配偶者と再婚しました。後妻と先妻の子どもたちの関係は良好です。しかし、高橋さんのすぐ下の弟である次男は、数年前、妻とひとり娘を残して事故で他界しています。次男の妻は結婚の際、高橋さんの父親にひどく反対されたことが原因となり、高橋家と折り合いが悪く、その後ほとんど付き合いがありません。
被相続人:父親(著述業、不動産経営、先妻は故人)
相続人 :
配偶者……専業主婦(後妻、実子なし)
長男………会社員、既婚、成人後に父親の後妻と養子縁組(相談者)
長男の妻…専業主婦、配偶者の父親・後妻と養子縁組
次男………故人、代襲相続人の娘は未成年のため、次男の妻が法定代理人
三男………会社員、既婚、父親に生前贈与された自宅と収益不動産を保有
長女………専業主婦、結婚時に父親から生前贈与された収益不動産を保有
●資産内容
自宅、貸ビル2棟、貸家1軒、アパート2棟、現預金・有価証券等約2億円
次男の代襲相続人は、まだ高校生で…
今回、父親が亡くなったことにより、次男の子どもが代襲相続人となりますが、まだ高校生になったばかりです。そのため、次男の妻が法定代理人となります。しかし、次男の妻は父親の法要にも姿を見せず、歩み寄りがありませんでした。
そのため、高橋さんの末の弟である三男が、相続の話をするために次男の妻の自宅を訪問しました。ところが、次男の妻は敵対心をむき出しにして話し合いになりません。強硬な態度に高橋さんのきょうだいが頭を抱えていたところ、次男の妻から全財産の明細を提示するよう、強い調子で要求が書かれた文書が送られてきました。
亡くなった次男は父親の後妻と養子縁組みしておらず、また、父親から生前贈与も受けていないため、法定割合以上の財産を要求していました。
次男の妻は、高校生のひとり娘を医者にしようと考えており、そのために多額の教育費が必要だと申し出ています。しかし、これまで没交渉だったこともあり、高橋さんのきょうだいも、次男の妻にはこちら側で考えた分割プランで折り合ってもらえるよう交渉するつもりだったのですが、次男の妻は納得しません。
「亡くなった主人は皆さんと違って、結婚時の生前贈与を受けていません。それに、後妻さんとの養子縁組みもしてもらっていませんから、相続権がないですよね。今回が最後の機会なんですから、できるだけ多く財産をもらえますか!?」
そのように、はっきり意思表示してきました。
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