「この会費は必要経費にはなりません」元国税専門官ズバリ判定

「毎年確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年1月頃になるとこのような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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団体の会費「同業者」と「異業種」支払うならどっち?

正解:必要経費に認められやすいのは、事業に関係する会費

 

事業をはじめると、ときどき同業者団体などからお誘いが来ます。士業の方など、ほとんど強制的に加入しなくてはならない団体もあるでしょう。

 

こうした団体では、会費を求められることが一般的ですが、この会費は必要経費になるのでしょうか。

 

会費が必要経費に認められるかは「業務に関連して賦課される費用」、本業と関連があるかどうかが問われるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
会費が必要経費に認められるかは「業務に関連して賦課される費用」、本業と関連があるかどうかが問われるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

結論としては、必要経費にできる会費もあれば、そうではない会費もあるということです。

 

ここで見ておきたいのが、所得税法基本通達37-9です。

 

具体的な団体名も挙げられていますが、「〜等」と書かれているため、他の団体の会費であっても、もちろん必要経費として認められる可能性はあります。

 

 

ポイントは、「業務に関連して賦課される費用」という箇所です。つまり、本業と関連があるかどうかが問われます。たとえば、税理士が税理士会の会費を支払うのは問題ありませんが、税理士が趣味で入ったソムリエ協会の会費を支払うのは、業務に関連していないと通常は判断されます。

 

大切なのは、その費用のおもな使いみちが業務の遂行上必要であり、しかも、業務の遂行に必要な金額を明らかに区分できるものであることです。

 

このルールに照らすと、税理士にとっての税理士会、弁護士にとっての弁護士会といった、加入しなければ活動することができない同業者団体の会費については、全額が必要経費として認められます。

 

一方、異業種の団体会費については、ややグレーという印象です。もちろん、ここから仕事の幅が広がる可能性もありますから、必要経費にできないとはいい切れませんが、確実に認められるのかどうかは微妙です。

 

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フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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