「納税できないときは税務署で延納相談を」元国税専門官ズバリ

「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

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納税資金がない!「放っておく」「税務署に相談」正解は?

正解:納税できないときは、早めに税務署で「延納」の相談を

 

「事業で得た利益をぜんぶ使ってしまった」
「節税に失敗して、予想外の納税額になってしまった」

 

こうした場合、期限までに納税することが難しくなってしまいます。期限までに納税できなければ、追徴税が課されますから、税負担が増えることを覚悟しなくてはなりません。

 

ただ、「延納」という手続きをすることで、加算される税額を軽減することができます。期限までに納税をせずに放置している状態を「滞納」といいますが、延納と滞納の違いを知っておきましょう。

 

「延納」という手続きをすることで、加算される税額を軽減することができるという。(※画像はイメージです/PIXTA)
「延納」という手続きをすることで、加算される税額を軽減することができるという。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

延納とは、税金の納税を延期させることができる手続きで、所得税や贈与税などに使えます。しくみとしては、まずは3月15日までに納税額の2分の1以上を納付すれば、残りの税金については5月末まで納税期限を延長することができるというものです。

 

手続きはシンプルで、確定申告書に延納について記載する欄があるので、ここに申告期限までに納税する金額と、延納をしたい金額を書くだけです。

 

期限が延長されるものの、3月16日から5月末までの期間は、「利子税」という名目で税金が加算されます。

 

利子税の割合は、「年7.3%」と「特例基準割合」のいずれか低い割合と定められていて、特例基準割合は年によって変動します。たとえば、令和元年は特例基準割合が年1.6%なので、利子税の割合も1.6%となっています。

 

では、延納の手続きをしていなかったらどうなるでしょうか。これはすでに説明したとおりで、滞納という扱いになり、未納の日数に応じた延滞税がかかります。

 

延滞税の割合は、納期限の翌日から2か月を経過する日までの期間については、「年7・3%」と「基準特例割合+1%」のいずれか低い割合なので、令和元年は2.6%です。

フリーライター

1981年、福岡県生まれ。西南学院大学商学部卒業。2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事。2017年7月、東京国税局を辞職し、フリーライターに転身。書籍や雑誌、Webメディアを中心とする精力的な執筆活動に加え、お金に関するセミナーも行っている。近著に『すみません、2DKってなんですか?』(サンマーク出版)がある。

著者紹介

連載「得なのはどっち?」難しい確定申告を分かりやすく解説

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える!

小林 義崇

河出書房新社

クイズ形式で出題。ベスト・チョイスはどっちか? 青色申告or白色申告。開業届を出すor出さない。家族を雇うorパートを雇う。iDeCo or小規模企業共済。郵送で申告or e‐Tax。国税専門官として数多くの申告相談に携わった著者…

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