パソコン購入「10万円以上と未満」どっちが得か?
正解:一括で経費にするなら、1個10万円未満のモノを買う
パソコンやクルマなど、1年以上使うことのできる物品を購入するときに注意したいのが、「減価償却」の問題です。具体的には、「その物品は10万円以上か?」ということを気にしなくてはなりません。
10万円未満の支払いであれば、「消耗品費」として全額を一括で必要経費にすることができるのですが、10万円以上になると、「減価償却」というルールが適用され、必要経費を数年に分割することになります。
まずは、減価償却のしくみを理解しておきましょう。とくに個人事業をする人にとっては、重要です。
10万円以上の固定資産を購入した場合、その固定資産の内容によって、何年間の必要経費に分割するかが決められます。この年数の基準を「耐用年数」と呼び、国税庁が公開している「耐用年数表」で確認することができます。
耐用年数表では、同じようなモノであっても、かなり細かく耐用年数が分けられています。
たとえば事務机については、おもに金属製のものは15年、その他は8年です。建物はとくに細かく、木造か鉄骨かという構造の違いに加えて、事務所用、店舗用・住宅用、飲食店用といった利用状況にも応じて耐用年数が異なります。
では、この耐用年数がどのように税金に影響するのでしょうか?
減価償却の計算方法は「定額法」と「定率法」の2種類がありますが、もし定額法を選択した場合、購入費を耐用年数で割った金額が、減価償却費という名目で毎年の必要経費となります。
たとえば新品のパソコン(サーバーとして使うものを除く)を買った場合、耐用年数は4年です。このパソコンが12万円の金額だったとすれば、減価償却費としては12万円÷4年=3万円になります。つまり、必要経費としては3万円を4年間計上するということです。
定率法になると計算方法が変わってきます。その詳細にはここでは触れませんが、定率法を選択した場合、1年目の減価償却費がもっとも多くなり、だんだんと減っていくことになります。