「確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年このような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

「現金納付」と「振替納税」得なのはどっち?

正解:期限までに納税資金を用意できなくても、「振替納税」なら何とかなる

 

もうひとつ、別の切り口から納税方法について説明しましょう。ここで比較するのは、「現金納付」と「振替納税」です。

 

現金納付は、税務署や金融機関で現金払いする方法です。

 

一方、振替納税というのは、要は口座引き落としのこと。あらかじめ引き落とし口座を税務署に届けておけば、決まった日に納税額が落ちる仕組みになっています。

 

振替納税の最大のメリットは、納税を約1か月遅らせることができる点だという。(※画像はイメージです/PIXTA)
振替納税の最大のメリットは、納税を約1か月遅らせることができる点だという。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

このどちらを選ぶべきかを考えると、振替納税がいいと私は思います。メリットは大きく2点あります。

 

①納税忘れを防ぐことができる。

 

振替納税は、税金の納付期限までに「預金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」(以下、「振替依頼書」)」を提出することで利用できます。

 

一度その手続きをしておけば、以降の年分の所得税も自動的に口座振替にしてくれるので、納税忘れを防げます。わざわざ納付書を使って税務署や金融機関などに出向く必要もなくなります。

 

②納税日を遅らせることができる。

 

振替納税の最大のメリットは、納税を約1か月遅らせることができるという点です。たとえば、平成30年分の所得税は、平成31年3月15日が納期限でしたが、振替納税を使った場合、その引き落とし日は平成31年4月20日に設定されていました。年によって多少ずれることはありますが、基本的に毎年このように、じっさいの納期限よりも1か月程度あとに引き落とし日が設定されています。

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