「毎年確定申告するのが面倒くさい」「節税したいけど、どうしたらいいか分からない」……、毎年1月頃になるとこのような声をよく聞く。日本の税制は、納税者自ら確定申告をする「申告納税制度」で、申告内容の一部は納税者の選択に委ねられているのだ。申告相談に携わった元国税専門官が、節税にはどっちが得なのか、プロの税金術を公開する。本連載は小林義崇著『元国税専門官が教える! 確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社) より一部を抜粋し、再編集したものです。

会費をすべて必要経費にすると問題になる場合も

また、いずれにしても支払った会費が、どういった目的で使われるのかを確認しておかなくてはなりません。たとえば、毎年、団体に旅行費を積み立てているとしたら、その旅行は売上に直結するものなのか、あるいは単なる親睦のためなのかといった点が判断を分けるポイントになってきます。

 

こうした判断は、自分だけではなかなか難しいでしょう。そのため、ある程度大きな同業者団体の会費については、募集要項などで「必要経費にできます」といった説明がなされている場合が少なくありません。

 

たとえば青色申告会の会費については、支部によっては「青色申告会の会費は事業上の必要経費になります」「勘定科目は租税公課または諸会費となります」といった具体的な案内がなされています。私が加入している一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会でも、ホームページ上のFAQに「年会費は必要経費として計上可能です」と明記されていました。

 

このように、会費が必要経費になるかは、団体ごとにすでに明らかにされている場合が少なくありませんから、これから入会を検討するのであれば、窓口に問い合わせてみるといいでしょう。

 

とにかく、会費と名のつくものをすべて必要経費にしていると、あとで問題になる可能性があるため注意してください。

 

本記事は「確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?」(河出書房新社)の一部を抜粋し、2021年2月現在の法令等に合わせ加筆したものです。法改正などにより、内容が変更となる可能性があります。

 

 

小林 義崇
フリーライター 元国税専門官

 

 

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