「家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母親が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。日本の高齢化は進み、高齢者と後期高齢者という家族構成が珍しくなくなってきた。老いと死、そして生きることを考えていきます。本連載は松原惇子著は『母の老い方観察記録』(海竜社)を抜粋し、再編集したものです。

元気だから出かけるのか、出かけるから元気なのか

ピンピン長生きのコツはお出かけにあり

 

ピンピン長生きの人は生活習慣が似ているようで、友人の母93歳も、知り合いの母88歳も、お出かけが好きだと聞いた。みんな、足も腰も曲がっているが、おしゃれをして時間をかけてバスに乗り、出かけているそうだ。

 

元気だから出かけるのか、出かけているから元気なのか。たぶん、後者だろう。つまり、行動しようという気持ちが心身ともに元気にしているのだ。

 

わたしもどんなに暑い日でも、今日はコンサートだ、友達と会食だという日は、朝から力がみなぎるのを感じる。一方、何もすることのない日は「暑いなあ、ああ、こんな暑さでは何もできない」とだらだら一日を過ごし、寝るときには、今日一日で下腹が出てきた気にさせられる。

 

妖怪は、待っている人もいないのに、夕方になると必ず帰ってくる。長年の主婦の習慣からか、6時には台所に立っている。そして、

 

「今日も、デパートで椅子に座っていたら、素敵な奥さんから褒められちゃった」とご満悦だ。

 

 

 

 

松原 惇子
作家
NPO法人SSS(スリーエス)ネットワーク 代表理事

 

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母の老い方観察記録

母の老い方観察記録

松原 惇子

海竜社

『女が家を買うとき』(文藝春秋)で世に出た著者が、「家に帰ったとき」あることに気づいた。50年ぶりにともに暮らすことになった母が、どうも妖怪じみて見える。92歳にしては元気すぎるのだ。 おしゃれ大好き、お出かけ大好…

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