「家族信託は自分の“分身”をつくる仕組み」の意味
「家族信託とは何か」について昨年パンフレットを作ったとき、載せたイラストが以下のものです。
「あなたの“分身”をつくる仕組みです。」がキャッチコピー。左側が父で「委託者」そして当初の受益者でもあります。真ん中は母、「2番目の受益者」になる人。そして右は娘、家族信託の主役となる「受託者」です。
筆者の頭の中にあったのは、実は合鍵(スペアキー)のイメージでした。鍵を持たずに出かけたある日、帰宅するとあいにく家人が留守。締め出された筆者は、『車には1本スペアキーを置いていた』と思い出しました。ところがこの日は徒歩で駅に向かったため万事休す。目の前に家があるのに長時間の待ちぼうけとなりました。
この状況、高齢になって判断力が落ちたり、認知症になってお金の管理ができなくなる場合と似ているなあ、と思ったのです。
〈しまっておいたお金はどこ⁉ 絶対にあるはずなのに。私は今、何をしようとしてここにいるの⁉ 自分のことなのに、何もわからない…〉
日常のごく当たり前のことができない、思い出せない。何をするにも自信がない。こういう不安な状態はつらいですよね。でも、しっかりした自分の“分身”がいればどうでしょう、安心できるのではありませんか?
その分身をつくろうよ、というのが「家族信託」の発想です。自分に欠けた部分を助けてくれる合鍵を作っておこうよ。イラストに鍵は出てきませんが、会話で表現しているのはそういうことです。
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