超高齢化社会の日本では、認知症になる人が増えています。不正防止の観点から、認知症とわかると預金者の口座を凍結して「成年後見制度」をすすめてくる銀行もありますが、他に選択肢はないのでしょうか? 今、「家族信託」を使った認知症対策が注目されています。「家族信託」とは何なのか? その仕組みとメリットについて解説します。※本連載は、石川秀樹氏の著書『認知症の家族を守れるのはどっちだ!?成年後見より家族信託』(ミーツ出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「家族信託は自分の“分身”をつくる仕組み」の意味

認知症になると銀行預金が凍結されてしまう…?(画像はイメージです/PIXTA)
認知症になると銀行預金が凍結されてしまう…?(画像はイメージです/PIXTA)

 

「家族信託とは何か」について昨年パンフレットを作ったとき、載せたイラストが以下のものです。

 

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「あなたの“分身”をつくる仕組みです。」がキャッチコピー。左側が父で「委託者」そして当初の受益者でもあります。真ん中は母、「2番目の受益者」になる人。そして右は娘、家族信託の主役となる「受託者」です。

 

筆者の頭の中にあったのは、実は合鍵(スペアキー)のイメージでした。鍵を持たずに出かけたある日、帰宅するとあいにく家人が留守。締め出された筆者は、『車には1本スペアキーを置いていた』と思い出しました。ところがこの日は徒歩で駅に向かったため万事休す。目の前に家があるのに長時間の待ちぼうけとなりました。

 

この状況、高齢になって判断力が落ちたり、認知症になってお金の管理ができなくなる場合と似ているなあ、と思ったのです。

 

〈しまっておいたお金はどこ⁉ 絶対にあるはずなのに。私は今、何をしようとしてここにいるの⁉ 自分のことなのに、何もわからない…〉

 

日常のごく当たり前のことができない、思い出せない。何をするにも自信がない。こういう不安な状態はつらいですよね。でも、しっかりした自分の“分身”がいればどうでしょう、安心できるのではありませんか?

 

その分身をつくろうよ、というのが「家族信託」の発想です。自分に欠けた部分を助けてくれる合鍵を作っておこうよ。イラストに鍵は出てきませんが、会話で表現しているのはそういうことです。

 

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