認知症になる高齢者の数が増加しています。不正防止の観点から、認知症とわかると預金者の口座をすぐに凍結してしまう銀行もあります。今回は、親の財産を管理する「家族信託」と「成年後見制度」を比較し、凍結された口座を解除できるたった1つの方法を解説します。※本連載は、石川秀樹氏の著書『認知症の家族を守れるのはどっちだ!?成年後見より家族信託』(ミーツ出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「家族信託と成年後見制度」できることの比較

※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

成年後見制度は複雑でわかりにくい。一方、家族信託はどうかと言えば、これまたまったく新しい発想の法律が基になっており、法律の専門家でも説明しにくいところが多々ある、という難物です。

 

だから両者の「解説」から始めようと思いましたが、やめました。理屈から入ってもなかなかイメージしてもらいにくいのです。それより、成年後見と家族信託でそれぞれ何ができ、何ができないかを示した方が早いのではないか、と考えました。

 

「〇△×の一覧表」を作りました。この表に「家族欄」も加え、家族信託の受託者兼家族なら何ができるかを「家族の力」として、赤い文字で表示しました。つまり成年後見人ができることと、受託者になった家族ができることを表にしたのです。

 

まず各項目になぜ「〇△×」が付いたのかを説明します。

 

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家族信託の受託者では預金口座の「凍結解除」は不可

では「成年後見」申立ての入り口になる最大の要因である「預貯金口座の開設や解約、取引」から見ていきましょう。

 

いきなり、著者が最も重要だと思っていることを言います。家族信託の受託者は、凍結された預金口座の解約なんてできません!

 

銀行に行って家族信託の契約書を窓口の行員に見せて、「私は〇〇〇〇さんと家族信託の契約を結び受託者になりました。だから〇〇〇〇さんの預金通帳をここに持ってきましたが、この通帳の〇〇〇〇さん名義を私の名義であるXXXXに換えてください」と言ってもけげんな顔をされるだけです。

 

行員が家族信託を知らないからではなく、信託受託者にそんな権限はないからです。

 

家族信託の受託者が、委託者兼受益者である〇〇〇〇さんの金融資産を処分できる(通帳から引き出したり振込、入金などを行うこと)のは、先に〇〇〇〇さんから一定の金銭を「信託財産」として預かり、受託者名義の通帳にその金銭を入れて管理しているからです。自分の名義にしているから、金銭の出し入れが自由になるだけです。

 

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