高収入の医師でさえ、老後資産の問題は他人事ではありません。医師にとって合理的な選択はやはり「不動産投資」でしょう。株やFXなど他の投資法と比較して資産流動性が低く、時間的な束縛も少ないため、多忙な医師にはベストマッチな資産運用法といわれます。とはいえ、やはり「リスク」が気になる人も多いはず。着実に収益を上げるために押さえておきたい、各リスクとその対処法を解説します。

医師の不動産投資は「リスクをいかに抑えるか」が勝負

高収入であればあるほど税金はたっぷりと徴収され、貯金をしても利子は雀の涙ほど。「ゼロ金利」時代の今、どうしたら資産を守り増やすことができるのでしょうか。

 

高額所得者である医師にとって資産形成は早急に取り組むべきテーマです。資産形成の手段としては株式、債券、金(ゴールド)などさまざまありますが、資産流動性の低い不動産投資は多忙な医師にとって最適な資産運用法であるといえます。

 

FXのように一日中レートを気にしなければならない運用形式は時間のムダであり、何より患者の命を預かる医師には相応しくない投資スタイルです。一方、不動産投資は日々のルーティンを維持しながら着実に収益を得ることができます。しかし、そんな不動産投資にもいくつかのリスクがあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

「初期費用を回収できないかも…」を回避する事前計画

不動産投資を始める時には、高額な購入価格はもちろん、売買を仲介した不動産業者へ支払う仲介手数料、物件の所有権移転登記にかかる登録免許税や司法書士への手数料、そして物件引き渡し後には不動産取得税の支払いが発生します。

 

とはいえ、これらは賃貸運営が軌道に乗れば回収可能ですので、将来大きなリターンを得るための必要経費と割り切りましょう。このリターンを確実なものとするため、物件購入時にはローン返済と利回りのバランスを見極め、何年後に初期投資が回収できるかなど具体的な計画を立ててから契約することが重要です。加えて、将来の売却時期(出口戦略)も決めておくことができればベストです。

入居者募集は「プロにおまかせ」で空室リスクを回避

すでに入居者がいる「オーナーチェンジ物件」を購入した場合は心配ありませんが、空室の不動産を購入した場合は、引き渡し後すぐに入居者募集を行わなくてはなりません。

 

空室物件の場合、新たな投資家が自由に家賃を決められるというメリットがありますが、入居者が決まらない限り家賃が入ってこないためその間の収入はゼロです。ローン支払いがあれば毎月着々と負債が増えていきます。

 

入居者募集は購入物件の仲介を行った不動産業者や不動産管理会社などに依頼すれば良いでしょう。その際、利回りを良くするため周辺相場より高めの家賃で募集したり、礼金や敷金を多めに設定したりすると、いつまでたっても入居者が決まらない事態に陥ります。

 

駅からの距離や物件周辺の商業利便性、室内設備や築年数などで家賃相場は変わってきます。1ヵ月以上入居者が決まらない場合は、自身の家賃相場観が大幅にずれていないか検証する必要があります。

 

新築・中古物件に関わらず「計画的な修繕」が必須

新築物件であれば当面心配はありませんが、中古物件については「建物の老朽化」への対策も練らなければなりません。投資用不動産を購入する際、中古物件を選べば価格が安い分高い利回りが見込めますが、その代償として「設備の不具合」というリスクも付いてきます。

 

古ければ古いほど修繕工事の頻度は高くなります。新築物件を購入した場合も他人事ではなく、数年後には同様のリスクを負うことになるのです。新築・中古問わず老朽化への取り組みは必須課題といえるでしょう。

 

室内設備の経年劣化はある程度予測できます。たとえばエアコンは10年、給湯器は10年から15年、フローリングは15年から20年といわれています。可能であれば売買契約時に各設備の設置時期や製造年を確認しておき、「エアコンは〇年後に交換、給湯器はX年後に交換」など将来の修繕計画を決めておけば、突発的な出費に悩む心配はありません。

固定金利か変動金利か…どちらが「賢明」な選択?

レバレッジ効果によるリターンを得るためには融資利用が必要不可欠です。投資用不動産購入の場合は金利の低い住宅ローンが利用できないため、必然的にアパートローンを利用することになります。

 

住宅ローン同様、アパートローンも固定金利と変動金利のいずれかを選択することになりますが、この選択如何でキャッシュフローに大きな影響が出てきます。変動金利を選択した場合、不景気下では低金利ですが、好景気になると金利が上昇します。その際は返済期間の短縮や、繰り上げ返済を考える必要があります。

 

一方の固定金利は変動金利より2%前後高く設定されていますが、借入時の金利相場を下回っていれば固定金利の方が有効です。

 

しかし返済期間中に売却、繰り上げ返済、借り換えをするとペナルティ料金が発生する場合あるので注意が必要です。購入当時から返済期間中の売却を想定しているなら変動金利を選択した方が賢明です。

 

<まとめ>

不動産投資をはじめる第一歩は物件の購入です。初期投資は高額になりますが、綿密な収支計画を練っておけば数年後には回収が可能です。併せて、老朽化・空室リスクを見据えた定期的なメンテナンスを行っていくことも忘れてはいけません。不動産投資は投資家自らが物件を育て、資産価値を上げていけるという楽しみ方もできるのです。

 

 

大山 一也

 

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