ストップ安でも慌てない…自分で決めた値幅が重要
さて、日本の株式市場には、投資家保護のための「値幅制限」があります。株価が一定以上、上がるか、下がるかすると、取引を停止するのです。値幅制限の上限を超えて取引停止になることを「ストップ高」、下限を超えて取引停止になることを「ストップ安」とも呼びます。
ストップ高やストップ安が起きた場合に、投資家は慌ててしまうことがあります。
「一気にこんなに上がった。明日はどうなるんだ? 急落する前に売った方がいいのか?」
「一気にこんなに下がった。明日は値が戻るのか? 明日もさらにストップ安になったらどうしよう?」
さまざまな感情が湧き上がってくるのです。しかし、あらかじめ妥当な株価を計算し、それに応じた値幅を決め、安全域を保って株を買っていれば、そんなときにも慌てることがありません。市場の値幅制限とは別に、自分で決めた値幅がそこには存在するからです。
したがって、ストップ高でもストップ安でも、自分で決めた値幅のなかで値動きをしているならば、それはまったく問題ありません。唯一その会社の価値を知っている者として、市場の動きを悠々と眺めていればよいのです。
しかし、それ以上に値上がりした場合は、売ることを考えてもよいでしょう。市場は、その会社に異常な高評価を下しているわけです。ですからそこで売れば、想定以上の利益を手にすることができるでしょう。
逆に、それ以下に値下がりした場合も、売ることを検討するべきでしょう。なぜならば、あらかじめ計算していた妥当な価格と値幅が、間違いかもしれないからです。そしてそうであれば、さらなる値下がりの可能性も十分にあるのですから。
■まとめ
価値と値幅を自分で決めれば、慌てずに済む!
その価値を見極め、妥当な価格を計算し、それ以下で買って購入金額以上の価値を求めることが、投資の本質です。
ただし、妥当な価格の計算は難しいので、それに応じた値幅を自分で決めておき、かつ十分な余裕を見て安全域を保ちながら買うのが賢明です。そうすれば、値幅制限を超えるストップ高やストップ安が起きても、慌てずに対処することができるでしょう。