信用買い…「レバレッジを効かせる」とは?
証券会社によって若干異なりますが、信用買いでは多くの場合、差し入れる委託保証金の最大約3.3倍までの金額を用いて、株式を購入することができます。
なお、手持ち資金以上の取引が可能であることから、その行為を「レバレッジ(=てこの作用)を効かせる」などともいいます。
以下に、現物取引と信用取引(例としてレバレッジ3倍)のリターンの違いを示します。
手持ちが同じ100万円で株価上昇率が同じく20%であるにも関わらず、現物取引は20万円のリターン、信用取引では60万円のリターンと、利益は3倍違ってくるのです。
このように、信用買いには「手持ち資金だけでは実現できない大きなリターンを望める」というメリットがあります。
信用売り(空売り)の仕組み
次に、「空売り」とも呼ばれる信用売りの仕組みをみていきましょう。以下の例をご覧ください。なお、空売りの特徴を鮮明にするため、ここではレバレッジなし(1倍)の取引を想定しています。
②A社株は値下がりすると予想し、1000株を1株2000円でそのまま売却し、200万円の現金を手にする
③予想通りA社株は値下がりし、150万円で1株1500円×1000株を買い戻し、株を返却する
④差額が50万円生まれ、それが利益となる
この空売りの最大の特徴は、「株価が下がる局面で利益を得られる」ことでしょう。普通は株価の下落局面では利益を出すことができませんが、空売りではそれが可能となるのです。そしてそれゆえに、現物買い(信用取引でない普通の買い)と空売り(信用売り)を組み合わせて、それぞれのリスクを抑制するという戦略をとることも可能です。また、信用買いの例と同じく、レバレッジを効かせてリターンを大きくすることも可能です。
なお余談ですが、1984年に発生したグリコ・森永事件において、犯人は標的とした会社の株を空売りして儲けていたのではないか、という話があります。それが本当かどうかはわかりませんが、確かに、株を借りて売り、事件を起こして株価を下げてそれを買い戻せば、利益が得られるのです。
江崎グリコ社長の誘拐、青酸入り菓子の配布などが行われた、1984年から関西で発生した複数食品会社への一連の脅迫事件
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