そもそも「不成注文」とは何なのか?
株取引の注文方法には大きく分けて、「指値」と「成行」の二種があります。
指値は売買価格を指定する注文方法で、希望する価格で買える、または売れるというメリットがある一方で、その価格で売ってくれる人、または買ってくれる人がいなければ、約定しません。
成行は売買価格を指定しない注文方法で、すぐに約定するというメリットがある一方で、希望する価格で買える、または売れるとは限らないのがデメリットです。
では「不成」ですが、これはある意味では、指値の一種だといえます。
証券会社の取引画面では、指値の一条件として、不成が表示されます。まずは売買価格を指定するのです。そしてその価格で取引が成立し、約定することもあります。
しかし通常の(条件なしの)指値のように、約定しなければそれで終わりというわけでもありません。約定しなかった場合、成行として執行されるのがこの不成の特徴なのです。
「不成注文」を行う際の注意点
この不成注文では、タイミングに注意を払う必要があります。
前場引け前(「前場」は9:00~11:30、「引け」は最後の取引)に発注された不成注文は、前場引けまでは指値扱いとなり、前場引け時に成行扱いとなります。そして前場終了後に発注された不成注文は、後場(12:30~15:00)引けまでは指値扱いとなり、後場引け時に成行扱いとなります。
指値としての発注はその日一日有効ではなく、前場引けまで、または後場引けまでと、短時間で成行注文に変化するのです。
また、引け時にたとえ成行注文になっても、売買される株式の需要と供給がアンバランスで約定しない場合もあります。そしてこの場合、注文は失効します。
このように不成注文では、指値で約定するまでずっと待つわけでもなく、成行で約定するまでずっと待つわけでもありません。ですから指値としても成行としても、通常の注文よりは約定の確率が下がるという点が特徴的であり、注意点だともいえるのです。
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