子連れで離婚した娘の生活を守ってやりたい
「もちろん息子も、かわいい大切な私の子どもたちです。遺産だってそれなりに残してやりたいし、そうするべきだとわかっています。しかし、幼い子どもたちを連れてひとり奮闘している娘には、安心して生活できる場所を残してやりたいのです」
根本さんの資産は、現在娘と同居している品川区の自宅と、木造アパート1棟、そして現預金3000万円程度です。
筆者が話を聞くと、根本さんは、娘に自宅と預金を多く残して祭祀継承も任せたいそうです。仕事も安定し、立派な自宅を構えている2人の息子たちには、駅近で空室のほとんど出ないアパートを残そうとの考えです。
いろいろと調査をしていくと、根本さんの場合、「小規模宅地等の特例」を活用すれば相続税がかなり圧縮できることが判明したため、残った預貯金も家を継承する真由美に相続させるようにしました。
アパート1棟を2人の息子に1/2ずつ相続させれば、遺留分に抵触することなく分割することも可能になります。真由美さんにくらべれば相続分は少なくなりますが、それで問題ないと根本さんは決断しました。
根本さんが作成した遺言書は下記のようになります。
遺言書
遺言者 根本博は下記のとおり遺言する。
第1条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、遺言者の長女真由美に相続させる。
【土地】
所在 東京都〇〇区〇〇一丁目
地番 〇〇番〇〇
地目 宅地
地積 〇〇㎡
【建物】
所在 東京都 〇〇区〇〇一丁目
家屋番号 〇〇番〇〇
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階〇〇㎡
2階〇〇㎡
遺言者は、遺言者の有する下記不動産を遺言者と前妻〇〇との間の長男裕一及び同次男武史に等分の割合で相続させる。
【土地】
所在 東京都〇〇区〇〇一丁目
地番 〇〇番〇〇
地目 宅地
地積 〇〇㎡
【建物】
所在 東京都〇〇区〇〇一丁目
家屋番号 〇〇番〇〇
種類 共同住宅
構造 軽量鉄骨造スレート葺2階建
床面積 1階〇〇㎡
2階〇〇㎡
第2条 遺言者は、遺言者の有する現金・預貯金等の金融資産から遺言者の未払い債務、葬儀費用等を控除した残余の金融資産を、長女真由美に相続させる。
第3条 遺言者は、遺言者の有する第1条から第3条までに記載した財産以外の動産等の財産全部を、長女真由美に相続させる。
第4条 遺言者は、祖先の祭祀を主宰すべき者として、長女真由美を指定する。
第5条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、長女真由美を指定する。
1 遺言執行者は、不動産の名義変更、預貯金等金融資産の解約、払戻し等、本遺言を実現するために必要な一切の権限を有する。
付言事項
妻亡き後、長女真由美は献身的に面倒を看てくれたことに感謝し、自宅や祭祀継承は真由美に託すことにしました。長男裕一及び次男武史は状況を理解しているはずで、アパートを等分に相続することで納得してもらいたい。私亡きあとに3人で協力してくれたことに心から感謝している。
令和〇〇年○月○日
〇〇市〇〇町〇〇
遺言者 根本博
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