ケアマネは基礎資格に応じた実務経験が5年以上
ケアマネージャー(略してケアマネ)はコーディネーター
ケアマネージャー(介護支援専門員) は、2000年の介護保険制度のスタートと同時に誕生しました。高齢者の心身の状態や環境に合わせた介護サービスを利用するためのケアプラン(居宅介護サービス書)を作成し、そのプランに基づいて適切なサービスが提供されるよう、事業者や施設と連絡や調整を行います。さらに利用料の管理も行っている一番身近な介護の専門家です。
ケアマネージャーはどうやって探すのか
ケアプランは本人や家族が作成することもできますが、多くの場合、要支援1、2であれば地域包括支援センターの職員、要介護1~5であれば事業所に所属しているケアマネージャーに作成を依頼(無料)します。介護保険サービスを利用するためには、居宅介護支援事業所を選びケアマネージャーを選定する必要があるのです。市区町村の介護保険課や地域包括支援センターで所在地などが記載された事業所の一覧表をもらうことができます。
●リストをもらったら、自宅に近いところをピックアップし電話をしてみましょう。
① 介護保険の相談がしたいが、新規利用者の受け入れが可能か確認する
(受け入れられる人数が決まっているため)
② 受け入れ可能な事業所に、介護で不明、不安な点を質問する。どのような介護サービスを利用したいのか、希望があれば伝える
(話しやすさ、相談しやすさ、不在時には折り返し電話がくるかなど全体のチェック)
③ 複数の事業所に説明にきてもらう、ここでは子も同席すると良い
④ 気に入ったところ、対応が良かったところと契約をする
ケアマネージャーの基礎資格を確認する
どのケアマネージャーも基礎資格(看護師、介護福祉士、社会福祉士等)に応じた実務経験を5年以上持っています。この資格によって得意分野が異なります。家族から見て親が日常生活を送る上で何に一番困っているのかを考えて選ぶのもひとつの方法です。前職が介護系であれば食事や買い物などの生活面の対応がスムーズですし、看護系なら病状から今後のリスクを予測することができますし、ケガなど手当ての相談にものってもらえます。
良いケアマネージャーとは
相談しやすさなどの相性、基礎資格のほか、親だけでなく介護する家族の状況を考慮したケアプランを提案できるかも条件のひとつです。親の状態が変化したらケアプランも見直しをします。これらを怠るようでは良いケアマネージャーとはいえません。地域のネットワーク力と情報量も良いケアプランの作成に影響してきます。
公正な立場であるケアマネージャーが、本来は他の事業所のサービスも使えるのに自身の所属事業所のサービスに偏っているのも問題です。提示されたケアプランや個別支援計画書をしっかりとチェックして疑問な点は質問をしましょう。契約したけど、なんか不熱心と感じたら、担当者や事業所の変更も可能です。遠慮せずに相談をしましょう。
訪問系の事業所にはケアマネージャーが複数人いる場合が多いので信頼できるパートナーを選んでください。入居施設や小規模多機能型居宅介護になると、そこに常駐するケアマネージャーが決まっているため、自分が寄り添うしかありません。嫌なら自分が施設を変えるしかないのです。この場合は、良いケアマネージャーを自分が選ぶというのは、紹介でもない限り難しくなります。個人的な感想ですが、入居施設や小規模多機能型居宅介護のケアマネージャーはとても優秀です。なぜならば、その施設の顔ともいえるからです。