
ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。
親の状態を正しく判断してもらうためには
認定調査員と主治医には親の情報メモを事前準備して提供する
介護保険サービスを利用するには、市区町村から要介護認定(要支援2段階、要介護5段階)を受ける必要があります。審査はコンピュータによる一次判定、介護認定審査会による二次判定があり、参考情報となるのが認定調査結果と主治医意見書です。この書類は認定調査員と主治医が作成しますが、内容に大きな差が出ては困ります。全員が正しい情報を共有する方が良いのです。
認定調査当日、“親が張り切って取り組み、通常よりも動作や会話ができる”というのはよくある話です。親の状態を正しく用紙に記入してもらうには、相手がもらって嬉しい情報を先取りして提供するのです。高い認定を受けたいからと過度に誇大して報告してはいけません。お互いにハッピーであるために情報メモの作成は、手間を惜しまず実行しましょう。
情報提供する内容は的を射たものに
認定調査票(概況調査、基本調査、特記事項)と主治医意見書の様式は法令で決められています。この内容に添って特に知らせたい項目をメモに残すことが得策です。メモはA4、1枚にまとめ、主治医、認定調査員、家庭と3枚同じ内容で準備します(必要に応じケアマネージャーとも情報共有をする)。
● 認定調査票の内容(ここでは項目が多い基本調査を紹介)
第1群 身体機能・起居動作/第2群 生活機能/第3群 認知機能/第4群 精神・行動障害/第5群 社会生活への適応/その他 過去14日間に受けた医療について
●主治医意見書の内容
傷病に関する意見/特別な医療/心身の状態に関する意見/生活機能とサービスに関する意見/特記事項認定調査には必ず同席する(自宅以外に親の生活次第で施設や病院で行われる場合もある)
認定調査日時は、調査員と調整ができます。仕事を休んで付き添いができる日にしてもらうと良いでしょう。当日は、親自身への聞き取りや動作確認の他、介護者への確認事項もあります。親が認知症などで返答ができない場合は代弁者が必要となります。作成したメモは「念のため、現在の状況をメモにまとめたので参考にしてください」と渡せば親がその場にいたとしても、特に問題はありません。
主治医の指定は介護の直接の原因になった病状を担当する医師を選ぶ
介護保険申請書に主治医を指定する項目があります。主治医には市区町村から3500~5000円の作成料が支払われるので、許可も得ず名前を書いたら“迷惑では?”等の心配はいりません。
大腿骨頸部骨折が原因であれば整形外科、脳梗塞が原因なら脳外科、認知症なら神経内科など介護保険を申請する原因となった診察科の医師を指定することをお薦めします。指定がないと市区町村指定の医師になりますが、面識のない医師ならば、風邪のときにお世話になる近くの内科医の方が安心です。母の主治医には、診察ついでに「主治医意見書をお願いしました。記載の参考にしてください」と毎回、メモを渡しています。
渋澤 和世
在宅介護エキスパート協会 代表
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