親の介護が必要に、どこに相談すればいい?
相談先は、ずばり!この2か所
親が後期高齢者となる75歳を過ぎた頃から、ほとんどの方は介護が自分事となります。介護で困ったことや、確認したいことがあるのなら、相談先として、この2か所を知っていれば十分です。
・ 市町村および特別区(東京23区)の介護保険担当課
・ 地域包括支援センター(略して地域包括)…相談無料/秘密厳守
介護保険の方針を決めているのは国ですが、市町村および特別区は保険者として、要介護・要支援認定の管理、保険の給付、サービス事業者の審査、財政運営など制度や財政の要を担っています。色々と異なる情報がインターネットなどで書かれていたとしても、誰が何と言おうと、最終的にはご自身の地域の行政の情報が一番正確です。
地域包括支援センターとは、高齢者自身やその家族からの相談の受け付けや、高齢者の見守り、心身の状態に合わせた支援を行う高齢者の総合的な相談・サービスを実施しているところです。市区町村から業務を委託された社会福祉法人や医療法人、社会福祉協議会等が運営しています。
所属している主任ケアマネージャー、保健師(看護師)、社会福祉士、認知症地域支援推進員などの専門職は人当たりが良く、相談できる内容も多岐にわたります。地域包括支援センターで対応ができないことがあれば他の専門機関への橋渡し役にもなる頼もしい存在です。
個人的なお金に関する問い合わせは市区町村窓口
お金に関することなら絶対的な決定権を持っている地域の行政窓口(市役所、区役所など)に相談してみましょう。
わが家は住民税非課税と課税世帯のどの段階に該当するのか? 所得対象は老齢基礎年金なのか? 遺族基礎年金は加算されるのか? 障害厚生年金は? など親の年金振込通知書を持参するくらいの、特に個人的なお金に関する問い合わせは断然こちらです。注意点は、役所の窓口は介護保険と介護認定で担当が異なり、電話番号も違うこともあるので事前に担当部署を確認してください。
別居なら親、同居なら自宅の住所を管轄している地域包括支援センターへ
相談窓口として身近でハードルが低いのが地域包括支援センターです。家族だけでも相談することができ、電話や訪問にも対応してくれます。お気軽に相談をと言われても、徒歩圏内でも高齢者にとっては躊躇してしまうこともあります。そんなときは電話をして訪問可能か尋ねてみましょう。
遠距離の親が何日も電話に出ない!安否が心配だ、というときは親の住所を管轄している地域包括支援センターに様子見の訪問を依頼することもできます。その結果、原因が「電話が壊れていた」など理由がわかれば安心です。念のため、相談する際には、介護保険証とかかりつけ医の診察券などを準備しておくと良いでしょう。
地域包括支援センターのここは注意
ここの母体は民間です。公的な相談機関の位置づけなのですが、必ずしも公正中立であるかは若干疑問も残ります。難点は、母体法人が運営する事業所をほぼ100%に近い割合で紹介してくることです。相手は専門家なのだから「ここで言われたことが一番なのだろう」と鵜呑みにしがちです。
マニュアルがあるような対応をされることもあり、その家庭ごとに異なる状況まで考えてくれてはいないかも、と私は感じたことがあります。本連載で介護について少し知識を得てから、出陣がお薦めです。